2021.02.24
- その他のアジア【ミヤンマー】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第64回③『ミヤンマー中央銀行によるノンバンク金融機関等に関するNotificationの公表』
- 【ミヤンマー】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第64回③
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このたび、森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループでは、東南・南アジア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター、MHM Asian Legal Insights第121号(2021年2月号)を作成いたしました。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務展開の一助となれば幸いに存じます。
◇ミヤンマー:
③ ミャンマー中央銀行によるノンバンク金融機関等に関するNotificationの公表
ミャンマー中央銀行(Central Bank of Myanmar:「CBM」)は、2021年1月26日付けでNotification第1/2021号(「本Notification」)を公表しました。本Notificationは、金融機関法(Financial Institutions Law)に定めるノンバンク金融機関(non-bank financial institution:「NBFI」)の事業のうち、貸金、リース及びファクタリングの実施に関し、CBMの事前承認手続について規定するほか、CBMへの報告義務を含む事業運営上の規制について定めるものです。
NBFIについては、数年来、CBMによる外資開放が近々行われるとの情報があったものの、実際に外資によるNBFI事業が認められた例はありませんでした。本Notification上もNBFI事業への外資参入を正面から認めた規定は置かれていませんが、外資・内資のステータス変更を伴う株式譲渡についてはCBMへの事前承認が必要とされており、NBFI事業への外資参入があり得ることを前提としていることが窺われます。
なお、ミャンマーでは、2021年2月1日付けで発出された国家緊急事態宣言に基づいて国軍最高司令官が全権を掌握しました。現地報道によれば、国軍最高司令官は、国家緊急事態宣言後も基本的に従前からの行政の運用に変更はなく、現状が維持されるということを強調しているとのことです。
そのため、本Notificationについても引き続き有効なものと考えられます。他方で、国軍への政権移譲に伴い、CBMでも総裁を含む多くの幹部職員の交代が生じていることから、今後CBMが本Notificationに関して実際にどのような運用を行っていくのかは極めて不透明な状況にあり、今後の動向を注視していくことが必要と思われます。
(直近記事)
〇第61回【インド】『新統合版FDIポリシーの公表』
○第62回【インドネシア】『雇用創出法(投資法・会社法の改正点】』
○第63回【シンガポール】『個人情報保護法改正にあたり対応すべき事項』
(ご参考)
○第64回【ミヤンマー】①『米国による経済制裁の発表』
〇第64回【ミヤンマー】②『2月1日国家緊急事態宣言後のアップデート』
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