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2020.11.30

インドインド【インド】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第61回『新統合版FDIポリシーの公表』
【インド】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第61回
このたび、森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループでは、東南・南アジア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター、MHM Asian Legal Insights117号(202011月号)を作成いたしました。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務展開の一助となれば幸いに存じます。
 
◇ インド:新統合版FDIポリシーの公表
 
インド政府商工省産業政策促進局(Department of Industry Policy and Promotion, Ministry of Commerce & Industry)は、最新の統合版FDIポリシー(Consolidated FDI Policy)を公表し、2020年10月15日より発効しました。統合版FDIポリシーは、公表時点におけるインドの外国直接投資規制全般をまとめたもので、従前は、毎年最新版が公表されてきましたが、2017年版の後しばらく最新版の公表がありませんでした。今回の統合版FDIポリシーは、3年ぶりの公表となります。
2017年8月28日に公表された統合版FDIポリシーから最新の統合版FDIポリシーまでは、プレスノートと呼ばれる産業政策促進局が公表する個別の通達により、随時改正点が公表されてきました。最新の統合版FDIポリシーは、これらのプレスノートの内容を踏まえて改正されたものであり、かつこれらのプレスノートに優先するものとされています。
最新の統合版FDIポリシーにおける従前の統合版FDIポリシーからの重要な変更点は、以下のとおりです。
 
(a) 最新の統合版FDIポリシーでは、インドと国境を接する国(パキスタン、中国、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ)の企業体による投資の場合、インド投資における受益者が上記のインドと国境を接する国に居住している場合、そして、インド投資における主体が上記のインドと国境を接する国の市民である場合は、事後のインド準備銀行(Reserve Bank of India)に対する報告のみで足りる自動ルートではなく、政府の事前承認を要する政府ルートでのみしかインド投資を行えないこととされました。
 
(b) 本レター第81号(2018年1月号)、第94号(2019年1月号)及び第102号(2019年9月号)でご紹介したFDIポリシーに関する改訂が反映されました。以下、概要のみまとめますが、具体的に以下の点が最新の統合版FDIポリシーにおいて明記されています。
①  単一ブランド小売業を実店舗型で営む会社に対して、100%の出資比率まで自動ルートによる外国直接投資が認められることとなりました。その他、単一ブランド小売業への外国直接投資を緩和する諸条件が明記されています。
②  マーケットプレイス型電子商取引業者(e-commerce marketplace entity)に必要とされる主要な条件が明記されました。
③  eコマースによる単一ブランド小売業を始めてから2年以内に実店舗型単一ブランド小売業をインドで開始することを条件に、eコマースによる単一ブランド小売業を営むことができることとなりました。
④  インドにおける受託製造業(contract manufacturing)について自動ルートで100%までの外国直接投資が認められることが明らかにされました。
⑤  デジタル・メディアを通じてのニュースと時事問題のアップロード・ストリーミング事業(映像等を配信する事業)について26%までの政府の事前承認を要する政府ルートでの外国直接投資が認められることとなりました。
 
上記のとおり、最新の統合版FDIポリシーは、基本的には3年の間にプレスノートを通じて公表されていた外国直接投資規制の緩和を取り込んだものとなっており、インドに対する外国直接投資は、より行いやすい方向へと進んでいると評価できようかと思われます。
今後、どのようなタイミングで統合版FDIポリシーの最新版が公表されていくかは定かではありませんが、都度改正内容を公表するプレスノートの内容を含めて、引き続き外資規制の動向を注視していく必要があります。
 
(ご参考)
本レター第81号(2018年1月号)
https://www.mhmjapan.com/content/files/00030600/20180122-050832.pdf
本レター第94号(2019年1月号)
https://www.mhmjapan.com/content/files/00035144/20190122-111834.pdf
本レター第102号(2019年9月号)
https://www.mhmjapan.com/content/files/00037323/20190924-052239.pdf

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【掲載元情報】
森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ  制作

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