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2021.03.08

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿/第52回「外商投資企業が投資総額を設定する必要の有無」
【中国】陳弁護士の法律事件簿/第52回
外商投資企業が投資総額を設定する必要の有無』

 2020 年 1 月 1 日『外商投資法』の施行により、多くの問題において外商投資企業と内資系企業は同じ法律の適用を受ける傾向が見られる。但し、外商投資企業に適用される投資総額の条件は中国の内資系企業に適用されない。『会社法』第 25条の規定によると、有限責任会社の定款における必須記載事項には投資総額が含まれていない。外商投資企業は投資総額を設定する必要があるのだろうか?

『分析』:
 答えは「Yes」である。つまり、「外商投資企業は投資総額を設定する必要がない」旨の新規定の公布が確認されるまでは、外商投資企業は投資総額を設定するべきである。その理由は主に 3 つある。

1、『中外合資経営企業の登録資本と投資総額の比率に関する暫定規定』では、外商投資企業の登録資本と投資総額の比率を定めた。『外商投資法』施行後も、『中外合資経営企業の登録資本と投資総額の比率に関する暫定規定』は依然として有効である。したがって、外商投資企業は外商投資企業の登録資本と投資総額の比率に関連する規定を遵守しなければならない。

2、『外商投資情報報告関連事項に関する商務部の公告』(2020 年 1 月 1 日より施行)の付属ファイル 1 の『外商投資設立、変更報告表』において、投資総額は依然として外商投資企業が商務部門に報告しなければならない事項とされている。

3、投資総額は外商投資企業の外債限度額の確定にも係わる。外債限度額を確定する方式は 2 つある。
 ①「投資総額と登録資本との差額」で確定する。
  当該方式により「外債限度額=投資総額ー登録資本」となる。
 ②「全範囲モード」で確定する。
  ここではこの方式を分析しないが、要するに、外商投資企業は定款において投資総額の内容を定め
  なくても構わないが、『中外合資経営企業の登録資本と投資総額の比率に関する暫定規定』に合致
  する投資総額を設定し、法に従い商務部門に報告しなければならない。

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【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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