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2020.07.16

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿㊿「工業用地及び当該工業用地上の建物の譲渡」NEW
【中国】陳弁護士の法律事件簿㊿
『工業用地及び当該工業用地上の建物の譲渡』

2014年より上海市の「建設用地の規模が上限に近づき、土地需給の不均衡が生じる」という問題が顕在化した。土地及び工場建物の早期取得を必要とし、払下により取得できない企業もあれば(以下「前者」という)、過去に払下により取得した土地及び工場建物が製品変更や移転などに伴い遊休地になる企業もある(以下「後者」という)。前者は後者から土地又は工場建物を直接買い取ることができるか、後者は遊休地の土地又は工場建物を前者に直接譲渡することができるか?
 
『分析』:
『土地管理法』では、「土地使用権を法により譲渡することができる」等を定めた。『都市不動産管理法』では、「不動産譲渡」について規定を明確にした。しかし、実務において、工業用地の譲渡はそれほど簡単ではない。2016年3月30日、上海市政府弁公庁は、上海市計画国土資源局制定の『本市の工業用地払下管理の強化に関する若干規定』(以下『若干規定』という)を公布した。以下のポイントは企業に役立つと思われる。
『若干規定』第15条第2項によると、国有建設用地使用権払下契約では、以下の土地使用条件を明記するとともに、譲受人の違約責任について約定を行う。契約
に違反して無断で分譲し、出資割合やプロジェクト会社の持分構成を変更する場合は、払下人が無償で土地使用権を回収できるまで、譲受人は約定通りに違約責任を負う。
 
(一)工業用地産業プロジェクト類及び研究開発本部産業プロジェクト類
1、建設用地使用権の全体譲渡又は分割譲渡を行ってはならない。
2、一筆の土地における建物を棟別、フロア別、戸別で譲渡してはならない。
3、建設用地使用権者の出資割合、プロジェクト会社の持分構成を変更する場合は、事前に払下人の同意を得ておく。
4、土地と建物を一体で譲渡する場合は、払下人の同意を得ておくものとし、又は払下契約の約定に従い、払下人や園区管理機関が優先的に買い付けてよい。土地と建物を一体で譲渡する場合は、全市の統一的な土地取引市場により行う。
 
(二)工業用地標準建物類
1、建設用地使用権の全体譲渡又は分割譲渡を行ってはならない。
2、一筆の土地における建物を棟別、フロア別、戸別で譲渡してはならないが、貸し出すことができる。
3、建設用地使用権者の出資割合、プロジェクト会社の持分構成を変更する場合は、事前に払下人の同意を得ておく。
4、土地と建物を一体で譲渡する場合は、払下人の同意を得ておくものとし、又は払下契約の約定に従い、払下人や園区管理機関が優先的に買い付けてよい。土地と建物を一体で譲渡する場合は、全市の統一的な土地取引市場により行う。
 
(三)研究開発本部共通類
1、貸し出し可能。建設用地使用権者は70%以上の物件所有権を保有しなければならず、残りの物件所有権を分譲することができる。
2、土地と建物を一体で譲渡するか又は分譲する場合は、払下人の同意を得ておくものとし、又は払下契約の約定に従い、払下人や園区管理機関が優先的に買い付けてよい。土地と建物を一体で譲渡する場合は、全市の統一的な土地取引市場により行う。
3、建設用地使用権者の出資割合、プロジェクト会社の持分構成を変更する場合は、事前に払下人の同意を得ておく。
 
以上のことから、

(1)工業用地産業プロジェクト類、研究開発本部産業プロジェクト類、又は工業用地標準建物類の工業用地であり、かつ払下人の同意を得た場合は、土地使用権及び当該土地における建物を一体で譲渡することができる。但し、土地使用権(全体譲渡又は分譲を問わず)であれ建物であれ、いずれも単独で譲渡してはならず、建物を棟別、フロア別、戸別で譲渡してもならない。

(2)研究開発本部共通類の工業用地であり、かつ払下人の同意を得た場合は、土地使用権及び当該土地における建物を一体で譲渡したり、分譲したりすることができる。但し、分譲可能な物件所有権は30%を上回らない。
さらに、『若干規定』第16条の規定によると、工業用地の全体譲渡又は分譲を行う場合は、計画土地管理部門の審査許可を受ける必要もある。


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【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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