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2020.07.30

タイタイ【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第57回『民商法改正草案(吸収合併の創設等)』
【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第57回
 このたび、森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループでは、東南・南アジア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター、MHM Asian Legal Insights112号(20207月号)を作成いたしました。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務展開の一助となれば幸いに存じます。
 
◇タイ:民商法改正草案(吸収合併の創設等)
 
2020年6月9日及び同月23日、内閣は、タイ民商法(Civil and Commercial Code:「民商法」)の改正草案2件(「本改正草案」)をそれぞれ承認し、当該草案は、国会での審議に送られました。本改正草案のうち特に重要と思われる点は、(1) 吸収合併の創設、(2) 電子的方法による取締役会の許容の2点です。以下、それぞれ解説します。
 
(1) 吸収合併の創設
 
従前、民商法は、合併当事会社全てが消滅し新会社が設立される新設合併のみを許容しており、当事会社の一方が他方に吸収される吸収合併は許容されていませんでした。本改正草案により、吸収合併が許容されることになるため、今後M&A取引やグループ内組織再編における活用が期待されます。吸収合併に関する手続は、大部分において新設合併と共通したものになる予定です。
 
(2) 電子的方法による取締役会の許容
 
タイでは、近時、2014年6月の暫定政権下での布告及び2016年9月の商務省告示(「両告示」)に基づき、一定の要件の下で電子的方法による会議を開催することが認められるようになりましたが、民商法自体は、電子的方法による会議を許容する旨の明文の規定を有しておらず、特に取締役会については取締役本人が出席する必要があることとの関係で、電子的方法による会議が民商法上許容されるかについて理論的な問題が存在していました。
しかし、本改正草案により、非公開会社は、附属定款において別段の定めがない限り、ビデオ通話その他の電子的方法によって取締役会を開催することができると民商法にも明記されたため、上記の理論的な問題点は解消され、この方法によって出席した取締役も定足数の計算に算入されることがより明確になりました。
なお、取締役会については、委任状による代理人の出席は依然認められていない点に留意する必要があります。
本改正草案は、電子的方法による株主総会については言及していませんが、両告示に基づいて、電子的方法によって株主総会を開催することは引き続き可能と考えられます。
 
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【掲載元情報】
森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ  制作

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