2024.12.20
- その他のアジア【フィリピン】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第110回「データプライバシー法に関する国家プライバシー委員会の最近の動向」
- 【フィリピン】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第110回「データプライバシー法に関する国家プライバシー委員会の最近の動向」
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◇フィリピン
フィリピンの個人情報保護に関する規制であるデータプライバシー法(Data Privacy Act:「DPA」)の施行及び運用に関する国家プライバシー委員会(National Privacy Commission:「NPC」)の動向については、MHM Asian Legal Insights第162号(2024年4月号)※1において取り上げたとおりです。NPCは、それ以降も、DPAの運用に関する指針を通達(Circular)やAdvisoryといった形式で公表しています。本レターでは、2024年5月及び8月に公表された新たな通達及び勧告の概要を説明します。
(1) Advisory第2024-01号
公表日 2024年5月30日 標題 個人情報の越境移転のための契約書モデル条項(Model Contractual Clauses for Cross-Border Transfers of Personal Data) 概要 異なる法域間での個人情報の移転に関し、契約書に盛り込むべきモデル条項として、他国の規制当局、ASEAN、EU等の国際機関が作成したガイドラインを公表するもの。
※なお、本勧告はNPCが独自に定めたガイドライン等を公表するものではなく、個人情報管理者や個人情報処理者にモデル条項の使用を義務付けるものではありません。
(2) 通達第2024-02号
公表日 2024年8月9日 標題 監視カメラシステム(Closed-Circuit Television (CCTV) System) 概要 - 道路、学校、モール、レストラン、駅、政府施設等の公共空間に設置される監視カメラシステムについて、その目的、設置方法、周知方法及び当該システムにより取得される個人情報の取扱い等に関するルールを定めるもの。
主な規制として、個人情報管理者及び個人情報処理者は、監視カメラの運営に関し、所定の項目を含む運用方針を定めなければならず、監視カメラに記録された個人からの要請に基づき、記録された個人情報の開示に応じなければならないなどの義務を負う。
(3) Advisory第2024-02号
公表日 2024年8月12日 標題 DPA13条(F)に基づく個人情報処理に関するガイドライン(Guidelines on Personal Data Processing Based on Section 13(F) of the Data Privacy Act of 2012) 概要 - センシティブ情報等の処理が認められる場面として、DPA13条(F)は、①裁判手続における権利の保護のために必要な場合、②法的請求権の行使のために必要な場合、及び③これらの目的のために関係当局に提供される場合、を規定している。
本勧告は、DPA13条(F)の解釈に関する指針を定めるもの。
NPCは定期的にDPAの運用指針についてのアップデートを行っています。弊所ではNPCの動向について今後も引き続きフォローしていくとともに、定期的な情報発信を行ってまいります。
(ご参考)
※1 MHM Asian Legal Insights第162号(2024年4月号)
2. フィリピン: データプライバシー法に関する国家プライバシー委員会の最近の動向
https://www.mhmjapan.com/content/files/00070188/20240422-033032.pdf
本記事掲載URL
20241213-102651.pdf (mhmjapan.com)
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- 【掲載元情報】
- 森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ 制作