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2026.09.28

【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第131回『欠陥商品に関する責任を定める「レモン法」案』NEW
【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第131回『欠陥商品に関する責任を定める「レモン法」案』
◇タイ

タイでは、欠陥商品に関する売主の責任を定める法律案(Draft Act on Liability for Defective Goods:「本法案」)の制定に向けた手続が進められています。本法案は、一般に「レモン法(Lemon Law)」と呼ばれています。この呼称は、英語のスラングで“lemon”が「欠陥品」又は「粗悪品」を意味することに由来します。本法案は、2026年6月16日の閣議決定を経て、現在下院特別委員会で審議中です。

現在、タイにおける欠陥商品に関する売主の責任については、主として民商法(Civil and Commercial Code)の一般規定が適用されています。また、危険な商品に起因する人身・財産等への損害については、非安全商品責任法(Liability for Damages Arising from Unsafe Products Act B.E. 2551 (2008))が存在します。もっとも、本法案は、これらの法令とは異なり、人身・物的損害の有無にかかわらず、商品自体の欠陥について、修理・交換・代金減額・契約解除等の買主の権利及びそれらに対応する売主の責任を定めるものです。
 
1. 本法案の概要

(1)本法案の適用範囲
本法案は、売買、割賦販売、交換、第三者による信用供与を伴う売買等を対象とし、消費者向け取引のみならず、事業者間取引にも適用されます。他方で、中古品、生きた動物及び個人間の売買等は対象外とされています。
 
(2)売主の責任及び欠陥の推定
本法案では、商品の引渡時に存在する欠陥により、商品の価値又は通常若しくは契約上予定された用途への適合性が損なわれる場合、売主は、当該欠陥を認識していたか否かにかかわらず責任を負います。

また、一般の商品について、引渡日から6か月以内に欠陥が発見された場合には、当該欠陥が引渡時に存在していたものと推定され、従来買主が負っていた立証負担が軽減されます。自動車については、この推定期間が1年とされています。
 
(3)欠陥商品に関する買主の権利
買主は、欠陥商品について、一定の要件の下で、①修理、②交換、③代金の減額又は④契約の解除を求めることができます。

修理については、原則として商品を受領してから60日以内(自動車については90日以内)に完了する必要があり、期限内に修理されない場合、買主は代金の減額、契約の解除又は損害賠償を求めることができます。また、重大な欠陥については、一般の商品は引渡日から7日以内、電気製品及び電子機器は14日以内であれば、直ちに交換を求めることができます。また、自動車については、安全性に影響を及ぼす重大な欠陥があり、かつ当該欠陥の修補が不可能である場合には、交換を求めることができます。
 
2. 実務への影響

本法案が施行された場合、欠陥の推定制度や修理期限の導入等により、買主が売主の責任を追及しやすくなることが想定されます。また、事業者間取引にも適用されるため、タイ国内で商品を販売する企業においては、売買条件、契約上の保証内容及び修理・交換等のアフターサービスに関する規程・対応体制について、本法案を踏まえた見直しが必要となる可能性があり、どのような内容で最終的に施行に至るか、注視する必要があります。

本記事掲載URL
https://www.morihamada.com/ja/insights/newsletters/145996

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【掲載元情報】
森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ  制作

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