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2020.02.10

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿㊻「『外商投資法』による合弁会社管理の枠組みに対する影響」
【中国】陳弁護士の法律事件簿㊻
『外商投資法』による合弁会社管理枠組みに対する影響
 
2019年3月15日、第13期全国人民代表大会第2回会議では、『中華人民共和国外商投資法』(以下『外商投資法』という)が可決され、2020年1月1日より施行された。2019年12月12日、『外商投資法実施条例(草案)』が国務院常務会議で可決されており、2020年1月1日より『外商投資法』と同時に施行された。
 
『分析』:

現行の『中外合資経営企業法』、『中外合作経営企業法』、『外資企業法』(以下『外資に関する3つの法律』という)の廃止前までの、合弁会社の管理における最も顕著な特徴は、董事会が合弁会社の最高権力機構として全ての重要事項を決定することにある。又、『中外合資経営企業法実施条例』では、董事会の全員一致で決議される事項を詳しく定めた。『外資に関する3つの法律』の廃止に伴い、それらの規定も廃止となった。
『外商投資法』の施行に伴い、株主会が董事会に取って代わり、合弁企業の最高権力機構となり、株主会と董事会が『会社法』の規定に従い業務を分担する。『外商投資法』の施行後の、合弁会社管理枠組み、及び株主会と董事会のそれぞれの職権は以下の通りである。
 
項目 『中外合資経営企業法』及びその実施条例 『外商投資法』及びその実施条例 変更点
政策決定機構 董事会が最高権力機構となる 『会社法』を適用する 株主会又は株主総会が最高権力機構となる
株主会 株主会を設置しない 『会社法』を適用する 株主会の職権は、会社定款の変更、登録資本金の増減、会社の合併又は分割、解散・清算などの重要事項について決議する。かつ三分の二以上の議決権を有する株主の同意を得なければならない。
董事会 董事会の構成員は3人を下回ってはならない。董事は各合弁当事者が委任する。董事会の職権は、会社定款の変更、登録資本の増減、会社の合併又は分割、廃業・解散などの重要事項について決議する。かつ董事会会議に出席する董事が合意に達しなければならない。 『会社法』を適用する 董事会の代わりに、1名の執行役員のみを設置してよい。董事又は執行役員は株主会又は株主総会によって選出される。
董事会の職権は、株主会又は株主総会を招集する、株主に対し仕事の進捗状況を報告する、株主会の決議を執行する、経営計画・投資方案・利益配当方案・欠損填補方案・基本管理制度を策定するなど。   
 
合弁会社管理枠組みを規範化する過程で、必ず合弁契約及び会社定款関連内容を修正する必要があり、これによって各株主の合弁会社における権利変更及び利益再配当をもたらす可能性がある。
 
株主会の職権と董事会の職権を区分することは合弁会社管理枠組み変革にとって重要である。『外商投資法』及びその実施条例で定められた過渡期間内に、合弁会社は株主会の職権と董事会の職権を徹底的に区分し、董事会に対し、株主会の職権の一部を行使する権限を与えることができる。但し、会社定款の変更、登録資本の増減金、会社の合併又は分割、会社の解散・清算は少数株主の権利保護及び合弁会社管理枠組みに係るので、株主会しかそれらの職権を行使できない。
 
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【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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