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2018.04.25

インドネシアインドネシア【アジア】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第30回『企業の実質的な権利者の報告義務の制定及び外国人労働者雇用手続の簡素化』
【アジア】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第30回
このたび、森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループでは、東南・南アジア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター、MHM Asian Legal Insights84号(20184月号)を作成いたしました。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務展開の一助となれば幸いに存じます。
 
1. インドネシア:企業の実質的な権利者の報告義務の制定及び外国人労働者雇用手続の簡素化
 
(1) 実質的な権利者の報告を求める大統領令
 
2018年3月5日より、テロリズムへの資金提供、マネーロンダリングの防止・撲滅のための企業の実質的な権利者(beneficial owner)についての情報開示に関する大統領令13号(「本大統領令」)が施行されています。本大統領令は、企業に対して、実質的な権利者を確定し、当局(法務人権省(MOLHR)及び投資調整庁(BKPM)が想定されます)に対して報告することを求めています。
本大統領令上、有限責任会社における「実質的な権利者」とは、(a) 会社の25%超の株式を保有する者、(b) 会社の25%超の利益を享受する者、(c) 会社の取締役、コミサリス(監査役に類似の役職)を任命・解任することができる者、(d) 会社の支配権を有する者、(e) 会社の利益を直接又は間接に受領する者、(f) 会社の資金又は株式の真の保有者等とされています。
そして、企業は、設立、登録、許認可に関する当局への申請時等において、実質的な権利者を確定の上、当局に報告する必要があります(併せて、本規則を遵守するための責任者を従業員の中から任命する必要があります)。
インドネシアでは、外資規制が存在する分野について、外国投資家からのローンを原資にインドネシア人が会社の株式を形式的に保有し、外国投資家が会社を実質的に支配するケース(「ノミニーアレンジメント」)が見られます。本大統領令は、贈収賄、マネーロンダリング、課税の回避等を目的とした規則であり、ノミニーアレンジメントに直接言及するものではありませんが、法務人権省や投資調整庁に対して実質的な権利者が報告されることにより、当局がノミニーアレンジメントを認識する可能性があります。
なお、2018年1月2日に施行された投資調整庁の新規則(本レター第82号(2018年2月号))において、会社は一定の場合には、株主がノミニー株主でないことを宣誓する旨の宣誓書を提出することを義務付けられています。本大統領令でも同規則と同様に、インドネシア政府がノミニーアレンジメントに対して、従前よりも厳しく監督する姿勢を取っているようにも見受けられるため、今後の実務動向も注視する必要があります。
 
(2) 外国人労働者の雇用に関する新規則の制定
 
2018年3月29日に、外国人労働者の雇用に関する大統領令20号が制定されています(同年6月29日に施行予定です)。同大統領令では、従来の外国人労働者の雇用に関する許認可手続が簡素化されています。
具体的には、従前の規則(2014年大統領令72号)においては、外国人労働者を雇用するに当たって、雇用主が外国人雇用計画(RPTKA)につき労働省から承認を得た後、別途、外国人就労許可(IMTA)を申請・取得する必要がありました。
これに対し、大統領令20号では、雇用主がRPTKAについて労働省からの承認を得た後にIMTAを取得することは不要とされており、RPTKA自体が就労許可として機能するものとされています。
このように、IMTA取得の手続が不要となったことにより、外国人労働者に関して、就労許可及びそれに引き続く滞在許可取得のための期間短縮が期待されます。
【掲載元情報】
森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ  作成

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