2013.10.03
中国【中国】中国市場における日本製品の販売③最終回「販売チャネル選択・ブランド構築 他」- 【中国】中国市場における日本製品の販売③
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今回(最終回)は、中国市場における販売チャネルの選択、ブランド構築、販売価格の設定について説明します。
7. 販売チャネルの選択について
現在、中国で物販を行っている日本企業が主に活用している販売チャネルとしては、以下が挙げられます。
◆ 実店舗販売(百貨店、ドラッグストア、セレクトショップ、自社店舗)
◆ インターネット販売(ネットモール店舗、他社店舗、自社販売サイト)
◆ カタログ販売
◆ TV販売
◆ サロン販売(限られた顧客が集まるサロン等の場にて、実演や試飲・試食を行い、啓蒙しながら商品の販売を行う)
どの販売チャネルを選択するかについては、前述(第2回)のターゲットとして選定した所得階層やエリアという要素以外に商品のカテゴリー、価格帯、生産量(メーカーの生産能力)などの要素も重要となってきます。
例えば、高級品や伝統工芸品、製造方法の関係で大量生産ができない商品(希少性の高い商品)などは、店頭にならべて大量に販売する方法は適さない、或いは採用できないので、商品の雰囲気に合う落ち着いた店で、商品知識を学んだ販売員が、商品や生産地のストーリーや製造工程、特性、商品の効能などを丁寧に細かく説明し、その付加価値を消費者に伝えながら一品一品大切に販売するの方法を選択することになります。
この場合、販売チャネルとしては高級百貨店やセレクトショップ、自社店舗、富裕層やその商品カテゴリーに興味を持つ消費者にターゲットを絞った雑誌やカタログ、サロンなどの販売チャネルを選択するのが良いと考えます。
逆に大量生産可能で、ターゲットとする階層も富裕層でなく、一般消費者をターゲットとして販売する商品については、チェーン展開しているドラッグストア、ネットモール店舗、TV販売などが適していると言えます。
販売チャネルの選択は非常に重要であり、良く見かけるケースとしては、化粧品を中国で輸入販売する際は、商品毎にSFDA(中国国家食品薬品監督管理局)の事前認証を取得しなければならず、かなりの労力と費用を費やすことになります。
そこまで努力したにも関わらず、販売チャネルの選定は、安易に取引し易い日本商品を取り扱っているドラッグストアなどを選定してしまい、他の商品に埋もれてしまってブランド構築ができていない、或いはブランド価値を活かしきれていない場合があります。
非常にもったいなく感じます。
当然ながら、ドラッグストアで販売するのに適した商品で、店頭で積極的にイベントを行い、他の商品に埋もれないような活動を行う場合は別です。
8. ブランド構築について
どの国でも同様ですが、中国で商品の販売を行う際もブランド構築は、非常に重要となります。
中国各地で日本製品の販売を行っていますと『南部鉄器』、『九谷焼』などが広い地域で知られているのを実感します。
知られ過ぎている分、偽物や乱輸入による価格破壊や商標侵害などの課題もありますが、物を販売する上でベースとなるブランドができていることは非常に優位であります。これは過去に国や自治体等の政府もしくは、民間が何かしらのブランド戦略を仕掛けた結果であるのではないかと考えています。
中小企業ですとブランド構築にかけることのできる予算にも人材にも限りがあると思います。
したがって、『南部鉄器』、『九谷焼』のように一企業だけではなく、その地方のメーカー全体にメリットがあるべースとなるブランドの構築は、地方自治体や商工会、組合等の支援を受けながら推進し、同時に企業としては、展示会、催事、インターネット、雑誌等を活用し、限られている予算と人材の中で、宣伝広告・啓蒙活動を同時進行で地道に行うのが理想であると考えます。
弊社では、過去にメーカーと共同で成都伊勢丹のVIP向けになでしこJAPANで一時期話題となった広島県の熊野の化粧筆のプロモーションを行ったことがあります。
日本人のメークアップアーティストを招いてVIP向けに実演をすると同時に熊野の歴史や熊野化粧筆の特徴や良さをご紹介しながら販売を行ったのですが、非常に好評で、その場で数千元のセットを購入したVIPもいましたし、イベント終了後も弊社の伊勢丹内の常設リアル店舗で継続して購入されるVIPもいました。
また、弊社は某ブランドの日本酒の中国エリアでの総代理店をやらせて頂いているのですが、昨年は1年間をかけて外務省、JETROなどの催事を活用し、プロモーション活動を行い、今年から上海の高級日本料理屋で正式に販売を開始しております。
1年間のプロモーション活動と店頭において中国の消費者に対して、POPなどを通して、商品の受賞歴や製造方法、希少性などを正しく説明し、ブランドを構築しながら大事に販売を行っていることも要因となり、一回目の輸入分が2ヵ月で完売してしまう程、中国の消費者に評価されています。
9.販売価格の設定について
最後に中国での販売価格の設定方法について説明します。
弊社では、各商品の販売価格については、前述の各プロセスを考慮して、商品に適した販売チャネルを選定します。
選定する販売チャネルにより、販売過程で関わってくる販売業者の数が異なり、同時に発生するマージンが異なってきます。
したがって、販売チャネルを決定した後にコスト積み上げを行い、仮価格を算出すると同時に市場の同類製品の価格や過去の販売経験及び店頭でのテスト販売による顧客の反応を加味して調整を行い、最終の販売価格を決定しています。
以上、3回にわたり.『中国国内市場における日本製品 の販売』について説明いたしました。本レポートが中国ビジネス成功の一助になれば幸甚です。
過去の掲載記事はこちらをクリックしてください。
・①「MADE IN JAPANの現状」
・②「販売ターゲットの選定」
- 【掲載元情報】
- 株式会社ドリーム・クリエイター 代表取締役 橋本 忠広
- [略歴]
北京大学国際関係学院国際政治学科修士課程修了
1997年より中国上海に常駐
大手コンサルティング会社に勤務し、投資業務・中国進出支援業務に従事
2005年6月 創夢人(上海)管理諮詢有限公司 設立
2009年8月 上海創夢人貿易有限公司 設立
2010年8月 創夢人(中国)投資有限公司 設立
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