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2026.02.12

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿/第96回『飲酒後に車両を自動運転にする場合も飲酒運転になるか』
【中国】陳弁護士の法律事件簿/第96回
『飲酒後に車両を自動運転にする場合も飲酒運転になるか

『経緯』

張さんは友達に誘われ会食に参加し、車で来たが、お酒を勧められて断れず飲んだ。会食が終わった後、張さんは自分が新しく買った車に自動運転機能が搭載されていることを思い出し、「お酒を飲んだが、自ら運転せず、自動運転であれば、飲酒運転にならない。」と判断し、車の知能化運転支援機能をオンにし、まもなく眠気に襲われて寝てしまった。その後、車はドライバーの異常な状態を検知したので、自動的に止まった。高速道路のトンネル内で止まっていたので、警察に通報された。調査したところ、張さんの車の自動運転等級はレベル 3 である。最終的に張さんは危険運転罪で立件され、裁判所は「拘留3か月、過料 6000元」の判決を言い渡した。

『分析』

中国の『自動車運転自動化分級』の国家標準(GB/T40429-2021)では、自動車自動化運転等級を低いものから高いものまでレベル 0‐5 に分けている。レベル 0-2は自動運転ではなく、依然としてドライバーによる運転が必要とし、システムは知能化運転支援に過ぎず、道路状況に対する警報と支援の役割を果たす。

レベル 3 以上から運転主体はシステムになる。ただ、レベル 3 は依然としてドライバーがいなければならない。自動運転システムをオンにした後、ドライバーは非運転関連活動に視線を移すことができるが、注意と警戒を保ち、特殊な状況が突然発生した場合に備え、いつでも車両を引き継ぐ準備をしておかなければならない。レベル 4-5 は、ドライバーがいなくてもよい。自動運転システムをオンにした後、ドライバーの立場は乗客に変わり、特殊な状況が発生しても、ドライバーが車両を引き継ぐことは義務付けられていない。

現時点で、量産されている車両の大部分はレベ ル 0-3 の状態にあり、レベル 4 は一部の試験環境に限り少量存在し、レベル 5は理 論研究と実験段階にとどまっている。 現時点で自動運転は新興分野に属し、交通違反の原因は比較的複雑なので、関連規定は整備されていない。自動運転中に発生する違法行為について、一部の地方では地方法規を制定した。例えば、『深セン経済特区インテリジェント・コネクテッド車両管理条例』には、「ドライバーがいる場合に違法行為が発生したら、ドライバーに対して処理を行う。無人運転中に違法行為が発生したら、車両の所有者、管理人に対して処理を行う」と規定している。『長沙市自動運転車両発展条例』には、「ドライバーの操作責任に属する場合は、ドライバーに対して処理を行う。自動運転シ ステムの原因に属する場合は、自動運転車両の関連主体に対して処理を行う。」と規定している。

ほとんどの自動運転レベルが完全な自動運転に達していない状況について、工業情報化部は、「消費者が運転「支援」システムを「自動」運転システムと勘違いしないように、企業は消費者に情報を提供する際に虚偽や誇張表現を使ってはならない。」と規定している。当該規定に応えるために、多くの自動車企業はユーザーマニュアル、宣伝資料、車載インターフェースにおいて「自動運転ではなく、運転支援である」ことを明記し、ドライバーに全過程で集中力を保つように要求し、安全でない運転行為を禁止している。

以上のことから、現時点で主流の自動運転等級がいずれもレベル 0‐3 である背景があり、ドライバーが運転に不可欠な役割を果たしているため、飲酒運転は依然として違法行為と見做される。将来、レベル 4 とレベル 5 の自動運転が可能な車両が量産・発売された後、自動運転システムをオンにすると、ドライバーの立場が乗 客に変わるため、飲酒後の乗車は飲酒運転と見做されなくなる可能性がある。ドライバーは知能化運転支援機能をオンにしても、運転の全過程で集中力を保ち、飲酒運転や居眠り運転などをしないように注意し、いつでも車両を引き継ぐ準備を整え、安全運転義務を厳格に履行しなければならない。

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【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。

[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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