2025.06.21
- その他のアジア【ラオス】弁護士法人One Asia/第60回「ラオスにおける商業銀行の登録資本金について」
- 【ラオス】弁護士法人One Asia/第60回「ラオスにおける商業銀行の登録資本金について」
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◇ラオス
1. 経緯
ラオスの商業銀行法は、2006年に制定され、その後2018年と2023年に改正されています(詳細はニューズレターをご覧下さい)。2023年の改正時に、外国銀行の支店の場合、登録資本金が3,000億キープから6,000億キープ以上へ(約40億円)増額されています。2. 登録資本金の増資期日について
2023年以前から営業している既存の商業銀行及び外国銀行の支店に対しては、政府が規定する期日までに増資することが義務づけられていましたが、その期日については、2023年時点では未定でした。
今回、ラオス政府は、その期日について規定する首相合意(No45 )を2025年4月11日付で発行しています。同合意の内容は以下のとおりです。
2023年の商業銀行法改正前から営業している商業銀行及び外国銀行の支店は、2025年6月2日から10年以内に商業銀行は、登録資本金を1兆キープ以上、外国銀行の支店は6,000億キープ以上にする必要があります。但し、最初の5年以内に増資額の少なくとも30%を増資する必要があります(合意第2条)。
ただし、ラオス中央銀行が規定する法定準備金の基準に満たない商業銀行及び外国銀行の支店については、3年以内に基準を満たすように増資を行い、それと同時に登録資本金を最低ラインまで引き上げる計画を立てる必要があります(合意第2条)。
3. 登録資本金の増資計画について
登録資本金の増資計画は、株主総会又は本社の決裁権限者の承認を得る必要があり、承認を得た後に、ラオス中央銀行商業銀行管理局へ申請し、最終的な承認を得る必要があります。この一連のプロセスは、同合意が施行されてから90日以内に完了させる必要があります(合意第3条)。
4. 登録資本金の増資方法および計上方法について
増資方法は、以下の3とおりがあります(合意第4条)。
(1)株主または本社が資本を追加投入
(2) 当期純利益または累積黒字の資本組み入れ
(3)自身の債務の資本振替
(4)株式増加・株主構成の再編による新株発行(有限会社または公開会社化)
(5)その他、ラオス中央銀行が許可する方法
増資分は ラオス中央銀行の専用口座 に送金し、以下のいずれかの方法で資本金として登録可能です(合意第5条)。
●方法A:
・増資承認日付の為替レートで キープ建てで計上。
・外貨を登録資本金口座に預金可能だが、銀行の資産としては計上しない。
●方法B:
・増資承認日付の為替レートで キープ相当額の外貨建てで計上。
・増資額は為替変動の影響を受けるが、外貨は登録資本金口座に預金可能(同じく銀行資産には計上しない)。以上〈注記〉
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本ニュースレター(2025年6月18日号)
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