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2025.05.08

タイタイ【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第114回「カジノ合法化法案の進展と今後の展望」
【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第114回「カジノ合法化法案の進展と今後の展望」
◇タイ

MHM Asian Legal Insights第168号(2024年10月号)※1において、複合娯楽施設法案(Entertainment Complex Business Act:「本法案」)の概説を掲載しましたが、本号においては、その後の進展と今後の展望についてご紹介します。
 
(1) 本法案の進展と今後の展望

2025年1月13日、タイ内閣は、カジノの合法化に関する本法案の理念を承認し、正式な立法プロセスへと移行しました。その後2回目のパブリックヒアリングの手続を含むタイ法制委員会(Council of State)による審査を経て、同年4月3日、本法案が下院に提出されたことが公表されました。

下院においては、①本法案の大枠の承認、②特別委員会による詳細な審査、③最終的な条項ごとの投票が行われることになりますが、既定の期間は存在しません。下院において可決された場合、本法案は上院に送られ、上院でも可決されると国王の署名を経て官報に掲載され、施行されます。

これらの全行程が完了するまでの期間は、法案の性質や立法過程で生じる修正の有無等により様々であり、数か月から、法案によっては1年以上かかることもあります。

 
(2) 下位法令について

タイ政府は、本法案の下位法令を制定する計画を発表しています。下位法令の案はまだ公表されていませんが、以下の内容を含むことが予想されます。

●複合娯楽施設のライセンス:複合娯楽施設が認められる区域、ライセンスの基準、ライセンスの発行数の上限、申請手続、手数料、更新手続等

●複合娯楽施設の運営:許可される娯楽事業の種類と詳細、営業時間、サービスセンターの場所、酒類の販売・消費の制限、喫煙エリアの指定等

●複合娯楽施設の管理と雇用:取締役、役員及び株主構成や、会社組織の変更に関する規制、タイ人従業員の割合に関する規制等

●カジノ運営:複合娯楽施設のうちカジノエリアが占める割合、カジノの種類、ゲームのプレイ方法、タイ人の入場料、カジノへの入場禁止の基準、広告・宣伝の制限、プレイヤー規則等
 
これらの下位法令は、本法案の発効日から180日後に施行される予定です。
 
タイがエンターテイメント及び観光の中心地としての地位を確立する中、カジノの合法化によるさらなる投資機会と経済成長を期待して、政府の強力な主導のもとで本法案の審議が進められている一方、反対意見も根強く存在することから、ホテル、不動産、ゲーム業界を中心に、企業や投資家は、引き続き今後の動向に注視が必要です。

(ご参考)
※1 MHM Asian Legal Insights第168号(2024年10月号)
   2. タイ:カジノ合法化に向けた法案の公表
https://www.morihamada.com/sites/default/files/newsletters/ja/asian-legal-insights/20241021/01.pdf

 本記事掲載URL
https://www.morihamada.com/sites/default/files/newsletters/ja/asian-legal-insights/20250421/01.pdf

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【掲載元情報】
森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ  制作

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