2024.05.02
- その他のアジア【ミャンマー】弁護士法人One Asia/第35回「ミャンマーにおける私立教育法施行の現状」
- 【ミャンマー】弁護士法人One Asia/第35回「ミャンマーにおける私立教育法施行の現状」
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◇ミャンマー
1.はじめに
ミャンマーにおいて、政府は2023年5月12日、2011年の私立学校登録法(Private School Registration Law)を廃止し、新しい私立教育法(Private Education Law)を公布しました。以下では施行から1年弱を経過した私立教育法の現状を概説させていただきます。
2.私立教育法の施行
私立教育法(Private Education Law)は、①独立または私立の基礎教育学校(Private Basic Schools)、②独立または私立の技術・職業教育訓練学校、③独立または私立の高等教育学校、④教育省が随時指定する独立または私立の学校の設立を希望する者は、新たに設立する関連地域の監督委員会にその登録を申請しなければならない(2023年5月12日以前に設立された学校は、1年以内(すなわち2024年5月11日まで)に登録しなければならない。)と規定しています。その後、2024年3月8日までに登録申請を行わなければならないと発表されていましたが、一部の学校から申請が行われておらず、申請期限が4月12日まで延長されています。
3.関連指令(Directives)の発出
2023 年 11 月 7 日、教育省(Ministry of Education)内の管轄機関は、私立教育法に基づき、以下の 3 つの指令を発出しています。
・高等教育学校の登録に関する指令
・国家カリキュラムを教える私立基礎教育学校の登録に関する指令
・国際的なカリキュラムを教える私立学校の登録に関する指令
指令は、出資者に関する情報、校舎・教室を含む学校設備、カリキュラムの詳細、国籍・学位を含む教職員の情報などの学校の登録に必要な情報に関する規定を定めています。申請について、教室の広さ、1教室あたりの生徒数、図書室、防火施設の設置を記載する項目があるなど詳細な規定が定められており、塾や語学学校などの小規模な学校ではなく、いわゆる小学校・中学校・高校などの教育機関を念頭においているものと推測されます。
4.日本語学校を含む今後の動向について
以前より、教育機関として日本語学校をヤンゴンで運営する場合、ヤンゴン市開発委員会(YCDC)によるライセンス発行が認められています。
発表された指令は、高等教育学校、私立基礎教育学校、インターナショナルスクールを対象にしていますが、私立教育法は、登録の対象を教育省が随時指定する独立または私立の学校まで広げており、将来的に教育省が日本語学校などの小規模な学校に対する登録を要求する可能性があります。
なお、現在、日本語学校であっても教育省の登録を受け付けているという情報があるため、教育省の登録を行う実務が定着するかどうかを含めて今後の動向に注意が必要となります。
以 上
〈注記〉本資料に関し、以下の点ご了承ください。
・ 本資料は2024年4月17日時点の情報に基づき作成しています。
・ 今後の政府発表や解釈の明確化、実務上の運用の変更に伴い、本資料は変更となる可能性がございます。
・ 本資料の使用によって生じたいかなる損害についても弊所は責任を負いません。
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(ご参考)
本ニュースレター(2024年4月18日号)
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〇第32回 【マレーシア】「マレーシアにおける“Play to Earn”モデルとNFT」
〇第33回 【ベトナム】「ベトナムの個人データ保護政令に関する最新情報」
〇第34回 【ラオス】「輸出による外貨収入に関する合意について」
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