2026.06.25
- 【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第128回「外資規制緩和に向けた外国人事業法改正案等を閣議承認」

- 【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第128回「外資規制緩和に向けた外国人事業法改正案等を閣議承認」
-
◇タイ
2026年5月12日、タイ政府は、外国人事業法(Foreign Business Act B.E. 2542 (1999):「外国人事業法」)上の外資規制対象事業のうち、一部について規制対象から除外する方針を示しました。同方針は、具体的には、①規制対象事業からの除外を定める商務省令案(「本省令案」)及び②同法添付の別表3を改正する勅令案(「本勅令案」)から構成されています。
1. 本省令案及び本勅令案の概要
(1)本省令案の内容~規制対象事業の例外の追加~
本省令案は、主に以下の事業について外国人事業法添付の別表3の「その他サービス」から除外することを予定しています。
・ 電気通信事業法に基づく第一種電気通信ライセンスに係る電気通信サービス事業
・ 外国為替管理法令に基づくトレジャリーセンター事業
・ ソフトウェア開発事業
・ 一定の関連会社向け総務事業、人事管理事業及び技術管理事業
・ 国内での一定の関連会社との間の債務保証サービス事業
・ 金融サービス用電子機器、自動販売機又は従業員向け自動サービス機器の設置のためのスペース賃貸事業
・ 石油掘削サービス事業
・ 有価証券を担保とする貸付事業(有価証券購入のための融資及び買戻し・再売却条件付取引を含みます。)
また、同様に外国人事業法添付の別表3に規制対象事業の一つとして挙げられている代理業及び仲介業についても、以下の事業を規制対象外とすることが予定されています。
・ デリバティブ法の適用対象外となる原資産又は変数値に係るデリバティブ契約について、代理人、ディーラー、アドバイザー又は
ファンドマネージャーとして行う事業
・ 為替相場又は金利に基づくデリバティブ契約について、デリバティブ取引所外で取引が行われる場合に、代理人、ディーラー、ア
ドバイザー又はファンドマネージャーとして行う事業
(2)本勅令案の内容~国内農産物取引に関する規制緩和~
外国人事業法添付の別表3においては、タイ国内における農産物の引渡し又は受取りを伴わない、タイ農産物先物取引所における農産物先物取引を除き、国内農産物の取引が規制対象事業として挙げられています。
本勅令案では、農産物先物取引について、先物取引市場が指定する倉庫において受渡しが行われる取引についても、規制対象から除外されることが予定されています。
2. 実務への影響
本省令案及び本勅令案が施行された場合、対象事業を行う日系企業にとっては、タイ市場への参入や既存事業の拡大における規制上の障壁が一定程度軽減されることが期待されます。この観点からは、今回のタイ政府の方針は、外資規制を緩和するものともいえます。もっとも、一定の関連会社向けのサービスとして今回規制の対象外となるものは、あくまでタイ国内で完結するものに限定されていることや、各業法上の許認可取得義務が免除されるものではないことには留意が必要です。
一方で、規制当局である商務省は、外資規制の潜脱を規律するノミニー規制を強化する方針であることには変わりなく、外資規制に関しては今後の立法手続及び解釈運用を引き続き注視する必要があります。
(ご参考)
Asian Legal Insights 2026年2月号(Vol.185)
https://www.morihamada.com/ja/insights/newsletters/133416
Asian Legal Insights 2026年4月号(Vol.188)
https://www.morihamada.com/ja/insights/newsletters/137886
本記事掲載URL
https://www.morihamada.com/ja/insights/newsletters/141121
(直近記事)
○第125回【シンガポール】「エージェンティックAIに関するモデルAIガバナンス・フレームワークの公表」
○第126回【タイ】「ノミニースキーム規制の厳格化-変更登記申請時の投資確認書の提出義務の導入」
○第127回【インド】「労働法改正に関する最新情報」
- 【掲載元情報】
- 森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ 制作





