2026.02.27
- 【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第124回「会社設立登記時の必要書類の追加」

- 【タイ】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第124回「会社設立登記時の必要書類の追加」
-
◇タイ
ノミニースキーム(名義貸し)や実体のない会社の設立の防止を主たる目的として、2026年1月1日に、非公開会社の設立に関する一連の新規則(「本新規則」)が施行され、一定の要件に該当する場合には、会社設立登記時に追加資料の提出等が求められることとなりました。
1. 本新規則の概要
(1)一定の株主構成又は外国人署名権限取締役構成に該当する場合
①外国人株主の持株比率が50%未満である場合又は②株主は全員タイ人であるが外国人取締役が単独又は共同で署名権限を有する場合、タイ人株主全員について以下の両資料の提出が求められます。
・資本金払込みに使用した口座の過去3か月分の銀行取引明細書
・資本金の払込金額及び払込日と一致する資金の引出し又は振替を示す証憑
銀行取引明細の提出については、プライバシー及び事業機密の観点から、タイ人株主が抵抗感を示す可能性があり、合意形成及び資料の収集に一定の時間を要することが想定されます。
(2)特定の株主が存在する場合
以下に該当するタイ人株主が含まれる場合、追加書類の提出及び追加的な手続が求められ、設立手続が大幅に遅延する可能性があります。
・国家福祉カード(State Welfare Card)の保有者(いわゆる低所得者)
・マネー・ロンダリング防止局(Anti-Money Laundering Office)により不審取引等に関連する者として把握されている者
(3)登記上の住所が既に5社以上により使用されている場合
登記上の住所が既に5社以上により使用されている場合、以下の追加書類の提出が必要となります。
・建物所有者又は使用権限者からの同意書
・土地権利証書又は賃貸借契約書等の使用権限を証明する書類
2. 実務への影響
本新規則は、日系企業にとっては、タイへの新規進出、現地パートナーとのジョイント・ベンチャー、タイ子会社グループ内の組織再編又はその他のM&A取引等に伴う新会社の設立の場面において、スケジュールへの一定の影響が想定されます。特に相手方が存在する取引においては、登記完了までの期間が従来より不確実となる可能性があるため、契約上のクロージング日の設定やロングストップ条項等について、当該不確実性を前提とした調整を行うことが推奨されます。
今後、内部ガイドラインの整備等により運用の詳細が明確化される可能性がありますが、当面は、会社設立に際して従来以上に慎重な事前準備及びスケジュール管理が求められます。
本記事掲載URL
https://www.morihamada.com/ja/insights/newsletters/133416
(直近記事)
○第121回【タイ】「スタートアップ促進法案の公表」
○第122回【シンガポール】「会社法及び会計法(改正)法案の可決」
○第123回【マレーシア】「オンライン・セーフティ法の施行」
- 【掲載元情報】
- 森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ 制作





