2025.02.10
- 【ベトナム】弁護士法人One Asia/第52回「〈Vietnam Law 360 2024年ゆく年くる年〉」
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◇ベトナム
2024年は、ベトナムにとって多くの面で変化の兆しが見受けられた年でした。2024年7月のグエン・フー・チョン前書記長の死去に伴い、同年8月にトー・ラム氏がベトナム共産党書記長に就任しました。これに続いて、ベトナム政府の大規模な再編計画が発表されました。さらに、2024年末には、日本にとっても長年の懸案であったホーチミン市のメトロが開通しました。2025年は、これらの変化がより大きな波紋を呼び起こすものと予想されます。
本号では、2024年に成立した重要法令を振り返るとともに、2025年に成立が予定されている法令について展望します
1. 2024年に成立した重要法令
2024年に成立した外資企業にとって重要な法令は下記の通りです。
[法律]
・土地法(改正)(施行日: 2024年8月1日)
・金融機関法(改正)(施行日:2024年7月1日)
・公証法(施行日:2024年11月26日)
・人民裁判所組織法(改正)(施行日:2025年1月1日)
・資産競売法(改正)(施行日:2025年1月1日)
・公的投資法(改正)(施行日:2025年1月1日)
・首都法(改正)(施行日:2025年1月1日)
・道路法(施行日:2025年1月1日、一部条項は2024年10月1日施行)
・道路交通秩序安全法(施行日:2025年1月1日、一部条項は2026年1月1日施行)
・電力法(改正)(施行日:2025年2月1日)
・労働組合法(改正)(施行日:2025年7月1日)
・社会保険法(改正)(施行日:2025年7月1日)
・健康保険法(改正)(施行日:2025年7月1日)
・薬事法(改正)(施行日:2025年7月1日)
・データ法(新規)(施行日:2025年7月1日)
・文化遺産法(改正)(施行日:2025年7月1日)
・地質・鉱物法(2010年鉱物法の改正)(施行日:2025年7月1日)
・消防救助法(改正)(施行日:2025年7月1日)
・都市・農村計画法(2009年都市計画法の改正)(施行日:2025年7月1日)
[下位法令:政令、決定、通達〕
・労働契約に基づいて就労する労働者に対する最低賃金について規定する政令74/2024/ND-CP号(施行日:2024年7月1日)
・年金、社会保険給付及び月額給付を調整する政令 75/2024/ND-CP号(施行日: 2024 年 7 月 1 日)
・労働契約を締結せずに就労する労働者に対する任意の労働災害保険について規定する政令143/2024/NĐ-CP号(施行日:2025年1月1日)
・消費者権利保護法の一部条項の細則を規定する政令55/2024ND-CP号(施行日:2024年7月1日)
・キャッシュレス決済について規定する政令52/2024/ND-CP号(施行日:2024年7月1日)
・電子取引法の電子署名及び電子署名認証サービスに関する施行細則を規定する政令130/2018/ND-CPの一部条項を修正・補足する政令48/2024/ND-CP号(施行日:2024年5月9日)
・電子身分証明及び認証に関する政令69/2024/ND-CP号(施行日:2024年7月1日)
・製品・商品のトレーサビリティ管理を規定する通達02/2024/TT-BKHCN(施行日:2024 年6月1日)
・一般取引条件・様式に従って契約登録を行わなければならない商品・サービスの一覧を公布する決定07/2024/QĐ-TTg(施行日:2024年7月1日)
・価格管理における行政罰を規定する政令87/2024/ND-CP号(施行日:2024年8月1日)
・商業促進活動に関する商法の細則を規定する政令81/2018/ND-CP号の一部条項を改正・補足する政令128/2024/ND-CP号(施行日:2024年12月1日)
・インターネットサービス及びネット上の情報の管理、提供、使用に関する政令147/2024/NĐ-CP号(施行日:2024年12月25日)
・銀行業のオンラインサービス提供にかかる安全、セキュリティについて規定する通達50/2024/TT-NHNN号(施行日:2025年1月1日)
・土地法の一部条項の細則を定める政令102/2024/ND-CP号(施行日:2024年8月1日)
・不動産事業法の一部条項の細則を定める政令96/2024/ND-CP号(施行日:2024年8月1日)
2024年8月には、土地法をはじめとする不動産関連の法律が施行されました。このほか、eコマースや電子決済の普及に伴い、DX関連の法整備も進展しました。
2. 2025年に成立が予定されている法案
2025年の法整備プログラムに関する国会決議第129/2024/QH15号並びに59/2024/UBTVQH15によれば、2025年に下記の法律が国会に提出され、制定される見込みです。
(1)2025年5月国会(第XV期国会第9回会議)において成立が見込まれる法律
1.性別変更に関する法律
2.デジタル技術産業に関する法律
3.電気法(改正)
4.化学物質法(改正)
5.教師法(改正)
6.企業における国家資本の管理・投資法(改正)
7.特別消費税法(改正)
8.法人所得税法(改正)
9.雇用法(改正)
10.国会及び人民評議会の監督活動に関する法律(改正)
11.広告法(改正)
12.規格及び技術規制に関する法律(改正)
13.法規範文書発行法(改正)
(2)2025年10月国会(第XV期国会第10回会議)において成立が見込まれる法律
1.上下水道法
2.受刑者の移送に関する法律
3.犯罪人引渡法
4.鉄道法(改正)
5.都市開発管理に関する法律
6.国際連合平和維持活動への参加に関する法律
7.民事判決執行法(改正)
8.民事事件における法的共助に関する法律
9.刑事事件における法的共助に関する法律
10.製品及び商品の品質に関する法律(改正)
11.個人データ保護法(PDPL)
12.新聞法(改正)
13.破産法(改正)
上記の2025年に成立が予定されている法律のうち個人データ保護法(PDPL)に大きな注目が集まっています。この法律が制定されれば、個人データ保護に関する政令(PDPD)の上位法令が制定され、現行規制がより詳細かつ明確になることが期待されています。このほか、現在の立法計画には入っていませんが、行政組織の改編が行われるとすれば、政府組織法や地方政府組織法の改正も立法スケジュールに組み込まれる可能性もあります。大規模な機構改変が行われるとの観測もあり、2025年に最も注目される法改正テーマです。---------------------------------◆ One Asia Lawyers ◆---------------------------------「One Asia Lawyers Groupは、アジア全域に展開する日本のクライアントにシームレスで包括的なリーガルアドバイスを提供するために設立された、独立した法律事務所のネットワークです。One Asia Lawyers Groupは、日本・ASEAN・南アジア・オセアニア各国にメンバーファームを有し、各国の法律のスペシャリストで構成され、これら各地域に根差したプラクティカルで、シームレスなリーガルサービスを提供しております。
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本ニュースレター(2025年1月16日号)
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〇第49回 【ラオス】「ラオスにおける炭事業について」
〇第50回 【ラオス】「ラオスにおける信用保証会社に関するアップデート」
〇第51回 【ラオス】「ラオスにおける金銀行(Bullion Bank )について」
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