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2013.01.25

その他のアジア【アジア】アジア通信/第10回 アジアの街角に見る超高額商品消費事情
【アジア】アジア通信/第10回
 その国・地域の豊かさをはかる代表的な経済指標は一人当たりGDPです。この指標によれば、アジア各国のほとんどが、日本よりはるかに貧しいということになっています。例えば、中国の一人当たりGDPは約5,400USドル、ベトナムは約1,300USドルに対して、日本は約46,000USドルです。しかしながら、指標上は貧しいとされる国にも超高額商品の消費は存在しますし、シンガポールのように豊かな国(一人当たりGDPは約49,000USドル )では言わずもがなです。
 以下にアジアの街角で見る超高額商品消費事情を幾つかご紹介いたします。

1.携帯電話
 
VERTU 上海IFC 店舗
2012 年2 月筆者撮影

 写真は、上海のIFCというショッピングセンターに入っているVERTU(ヴァーチュ)というブランドの携帯電話の店舗です。VERTUはノキアの100%子会社のようです。
 VERTU携帯の特徴は際だって高いことです。上海IFCの店頭で最も高かった機種は1台なんと約1,600万円でした。その携帯が、半年に1台ぐらい売れるそうです。ここまで、高額になる理由は、1台1台職人が手作りしていること、素材にダイヤ・金・プラチナなどがふんだんに使われていること、などのようです。どうも機能的に特筆すべきものは無さそうです(コンシェルジェサービスがあるそうですが)。
 VERTUの店舗は、シンガポールはもちろん、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、プノンペンなどアジアの各地の主要都市にあります。日本にも一時期出店していたようですが、2011年に撤退したそうです。

2.自動車
 アジア各都市には、日本ではあまり見かけないような高級車を見かけます。シンガポールではもちろん、カンボジアやベトナムのような、経済指標上は貧しいと部類される国であっても、そこかしこで見かけます。
 以下の写真(左側)は、カンボジアの警察車両です。車種はレクサスLXです。値段は車両本体価格だけで1,000万円ぐらいでしょうか。日本では滅多に見ることはないクルマです。警察車両には、レクサスLXの他にもレンジローバーなどが採用されています。カンボジアの一人当たりGDPは852USドルで、最貧国に分類されています。プノンペンでは、オートバイの普及もまだまだ、トゥクトゥク(写真右側)が、観光用というよりも公共交通機関として活躍しているような状況です。
       
         
 
レクサスLX 2012年11月              トゥクトゥク 2012年7月
プノンペンにて筆者撮影              プノンペンにて筆者撮影


3.マンション
 
 上の画像は、スーパーカーのショールームではありません。高層マンションの室内の画像です。これは、シンガポールのハミルトンスコッツというマンションの画像です。
 自動車が室内に入っているのは、自動車専用のエレベーターが、部屋の中の駐車場まで、クルマを運んでくれる仕組みになっているからです。手の込んだ立体駐車場というイメージです。
 ネットの広告(Property Guru.com.sg)によれば、約78坪の部屋で、分譲価格は約6億7,000万円(坪当り約860万円)、賃貸の場合の賃料は約134万円です。

以上はほんの一例です。もちろん、ベンツやBMWなどの高級車が当たり前の様に走っています。この他にも時計や鞄などの持ち物までチェックするとキリがなさそうです。

 所得水準が低い多くの国における超高額消費の中心的な担い手は、政治家・役人のようです。つまり、これらの国での超高額消費は、利権・賄賂・腐敗の象徴という見方も出来ます。日本はとてもクリーンな国だとも感じさせられます。
【掲載元情報】
山田ビジネスコンサルティング株式会社 専務取締役シンガポール支店長 東 聡司
[略歴]
山田ビジネスコンサルティング(株)創業以来、日本国内の中堅中小企業の再生支援業務に携わる。
2012年1月~2月にかけて中国進出日系企業の経営状況を調査。
2012年4月のシンガポール支店長就任後はタイ・インドネシア・ベトナム等ASEAN各国に進出している日系企業の経営状況を調査。
経営の観点から日本企業のアジア進出をサポートする。

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