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2016.11.25

その他のアジア【アジア】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第14回『ベトナム 投資法の改正案』
【アジア】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第14回
本レポートは、東南・南アジア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター「MHM Asian Legal Insights 第65号(2016年11月号)」より、その内容の一部を転載しています。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務展開の一助となれば幸いに存じます。
 
ベトナム: 投資法の改正案
 
(1) 総論
 
現在、ベトナムでは、2015年7月に施行された投資法や企業法等の一部の改正が検討されており、そのための改正法案(「本改正法案」)が2016年9月に公表されています。本レターでは、本改正法案のうち、投資法に関する主な改正案の内容を紹介します。
 
(2) M&A登録手続に関する改正案
 
現行の投資法上、外国投資家がベトナムに新規の会社を設立する場合、投資登録証(Investment Registratio Certificate:IRC)を取得する必要があります。これに対し、外国投資家がベトナムの既存の会社を株式譲受等の方法により買収する場合には、投資登録証(IRC)の取得は求められていないものの、①対象会社が条件付投資分野に属する事業に従事している場合、又は、②買収の結果、外資比率が51%以上になる場合には、計画投資局(DPI)において事前に登録手続を行うことが要求されています(「M&A登録手続」)。

この点について、本改正法案では、上記①及び②のほか、③対象会社の買収前の外資比率が51%以上であり、買収の結果、外資比率がさらに増加する場合、④対象会社が国境線に接する地区内の土地の使用権を保有している場合にも、M&A登録手続を要求することが提案されています。
また、現行の投資法上、M&A登録手続については、計画投資局(DPI)がすべての申請書類を受領した日から15日以内に結果の通知が行われる旨規定されています。

この点について、本改正法案では、15日以内という原則は維持しつつ、いくつかの例外が設けられています。まず、対象会社の営む事業が条件付投資分野に属するものの、どのような条件が必要であるか明確でない場合、計画投資局(DPI)は当該事業に関する関連省庁に意見照会を行うことができ、その場合、すべての申請書類を受領した日から45日以内に結果の通知が行われることとされています。また、上記④に該当する国境線に接する地区内の土地の使用権を保有している既存の会社を買収する場合、計画投資局(DPI)は関連省庁に意見照会を行うことができ、その場合、すべての申請書類を受領した日から60日以内に結果の通知が行われることとされています。さらに、対象会社の営む事業が卸売業又は小売業である場合、計画投資局(DPI)は商工省に意見照会を行うことができ、その場合、すべての申請書類を受領した日から45日以内に結果の通知が行われることとされています。
 
(3) 条件付投資分野に属する事業分野の範囲の縮小
 
現行の投資法上、条件付投資分野とは、国防、国家の治安、社会の秩序、安全、社会道徳、市民の健康を理由として、当該分野について経営投資活動を実施するには一定の条件を満たさなければならない分野をいい、それに該当する具体的な事業分野として、同法別表4に267の事業分野が列挙されています。
この点について、本改正法案では、条件付投資分野の範囲の縮小が検討されており、例えば、職業訓練サービス業、自動車の保証・整備サービス業、不動産仲介・不動産鑑定・建設プロジェクト運営における訓練サービス業、動物飼育のための肥料輸入業、投資プロジェクト評価コンサルタント業、美容外科手術サービス業、臨床試薬サービス業、土地調査・評価コンサルタントサービス業、排水サービス事業等合計で60以上の事業分野の削除が検討されています。
 
以上のとおり、本改正法案のうち、投資法の主な改正案の内容について取り上げましたが、これらは依然として検討中の段階であり、今後改正案の内容が変更される可能性もあるため、今後の動向に留意が必要です。

以上

※ 本内容につきまして、無断複写・複製・転載を禁止いたします。
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【掲載元情報】
森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ  作成

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