国別情報一覧

HOME > 国別情報一覧 > その他のアジア > 詳細

国別情報一覧

2016.09.28

その他のアジア【イスラム】Hopewill《THE MENASA/イスラム市場通信》第26回「進化してゆくムスリムファッションの実態に迫る!」
【イスラム】Hopewill《THE MENASA/イスラム市場通信》第26回
進化してゆくムスリムファッションの実態に迫る!

このところムスリムの女性用ファッションが劇的に進化を遂げている。現在のムスリムファッション市場は26兆4000億円もの規模があり、2020年には27兆円を超えると予想されている。この巨大市場に今、名だたるハイブランドから大手ファストファッションブランドに渡る多くの有名ブランドが参入し注目を浴びている。今回はファッションブランドがどのようにこの市場に参入し、伝統的なファッションスタイルを越えてムスリム女性のニーズに応えているのかを特集する。

【伝統的なムスリム女性のファッションスタイル】

ムスリムの女性には、顔と手以外の露出を禁じ、近親者以外には目立たないようにしなければいけないという戒律がある。アラビア半島の伝統的民族衣装であるアバヤ、アフガニスタンで用いられているブルカなど、種類は多岐にわたり、地域ごとにも違いがある。アバヤは目と手足以外を隠すのに対し、ブルカは目も完全に隠す。
最も一般的で知られているのは、ヒジャブといわれる頭髪を隠すスカーフのようなものだ。ムスリムの女性たちは物心つく前からこのような服装で日々過ごしており、彼女たちにとっては信仰を表すアイデンティーであり、身体の一部とさえ言えよう。


【SNSと新しいムスリムファッション】

宗教的なルールを守りながらも様々なカラーやデザインでムスリム女性を魅了しているイスラムの伝統服。これまでは色や素材、デザインのバリエーションが主であったが、近年のSNSの拡がりに伴い、新たなファッション現象として注目が集まる。バリエーションに富んだヒジャブの巻き方を紹介した動画が配信され、インドネシアでは「ヒジャブ女子」と呼ばれる現象もおきている。インドネシアの若い女性たちはヒジャブに合わせたメークをしアクセサリーで装飾し、いかにヒジャブをお洒落に着こなすかを競う。

また、日本のロリータファッションを取り入れた「ムスリムロリータ」もネットを中心に話題を呼んでいる。肌を出さないロリータファッションをアメリカ在住のムスリム女性が取り入れ、SNSにアップしたところ国内外で評判を集めているそうだ。
インスタグラムでは、現代風にアレンジしたムスリムファッションを紹介するムスリム女性も現れており、フォロワー数150万人という人気ブロガーも存在する。また、あるナイジェリア人女性がアメリカ発祥の「バービー人形」に、ヒジャブを被せて着せ替え写真を投稿したところ、このインスタグラムが人気を呼び、購入希望者が世界中から集まっているという。
この様な現象には、企業がその市場規模の大きさに注目したことに加え、ムスリム女性の社会的立場が以前に比べて保守的ではなくなったということも背景にある。


【有名ブランドのムスリムファッション進出】

このようなムスリム市場の拡大に伴い、ムスリム女性を対象としたブランド競争が激しくなっている。DKNYやトミーヒルフィガーがカプセルコレクションを発表した中、高級イタリアブランドのドルチェ&ガッバーナも2016年1月に「アバヤ」&「ヒジャブ」コレクションを発表し、中東、パリ、ロンドンのドルチェ&ガッバーナで発売を始めた。日本の大手ファッションブランドのユニクロも、今年の2月、アメリカの店舗で「モデスト・ファッション」と題し、イスラム女性向けにヒジャブなどを展開している。ユニクロでイスラム女性向けのファッションを手掛けたデザイナーの、ハナ・タジマ氏はムスリム女性というバックグラウンドを武器に、イスラム女性の細やかなニーズに応える。またタジマ氏が他社との差別化を図った点として広告が挙げられる。ドルチェ&ガッバーナは広告に白人モデルしか起用しなかったのに対し、ユニクロはイスラム教徒の女性とイスラム教徒ではない女性が笑みを浮かべ対面している広告を打ち出した。このような数々のブランドが近年のムスリム女性のファッションスタイルを劇的に変えており、その経済効果に今後ますます期待が高まる。

※本レポートは、Hopewill Group (Holdings)Ltdのメールマガジン「イスラム&MENASA市場」より一部修正のうえ、転載しています。
※ 本内容につきまして、無断複写・複製を禁止いたします。
※「THE MENASA/イスラム市場通信」の過去記事は 「国別情報一覧」 よりご確認ください。


-------------------------------------------------

「THE MENASA/イスラム市場通信」は、今後ますます注目を集める地域のME(Middle East) 、NA(North Africa)、SA(South Asia) 市場およびイスラム市場について、様々な観点から情報を発信してまいります。
本レポートを通して、少しでもこの「MENASA」「イスラム」というキーワードが皆様にとって身近なものとなりましたら幸いです。

Hopewill Group (Holdings)Ltd.では、イスラム国や概要やイスラム教の基本情報をお伝えするだけでなく、新たな関連市場を目指す日本企業の成功事例等の最新情報をお届けしております。当社のメールマガジン配信をご希望の方は、hwj@hopewill.com宛に会社名・担当者名・電話番号をご記入の上、電子メールにてご連絡願います。
【掲載元情報】
Hopewill Group Japan株式会社《Hopewill Group (Holdings)Ltd.グループ企業》  監修

前のページへ戻る

  • セミナー&商談会のご案内
  • アジアUPDATE
  • 国別情報一覧

PAGETOP