2016.04.27
- その他のアジア【イスラム】Hopewill《THE MENASA/イスラム市場通信》第21回「ラマダン市場に参入する為の秘訣に迫る!-後編-」
- 【イスラム】Hopewill《THE MENASA/イスラム市場通信》第21回
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特集・ラマダン市場に参入する為の秘訣に迫る! -後編-
今回の後編では、ラマダン市場に参入する為の秘訣を紹介する。
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ラマダン市場に参入する為の秘訣
<ハラル認証を取得する>
ムスリムからの信頼を獲得するには、商品が販売される国において高く評価されているハラル認証を取得し、ムスリムが安心して食すことができるよう、商品に表示をすることが必要である。
ハラルである食品にはベジタリアンフードやシーフードも含まれる。
また、タイーブ (Tayyib) に則るべく、食品がオーガニックであること、倫理的に取り扱われていることも重要な要素である。
<イスラム圏の味に捉われない>
イギリスに暮らすムスリムの殆どはサウジアラビア系であるが、サモサのみでなく、多様な食事を楽しんでいる。
インスタント食品の iEat はイギリスに暮らすムスリムの間で高い人気があり、ハラルシェパードパイやハラルスパゲッティ等、多様な料理を提供している。
また、ムスリムのみでなく、国内の多様な民族がどのような地域にコミュニティを築いているかを把握し、店舗によってそれぞれの民族に合わせた異なるサービスを提供することが可能となっている。
<イード・アル・フィトル に重点を置く>
ラマダンの終了を祝うイード・アル・フィトル (Eid ul-Fitr) には、プレゼントを送ることが増えてきており、イスラム教のクリスマスのようなイベントとなりつつある。
それ故、イード・アル・フィトルに向けて、プレゼントやギフト包装、イード・アル・フィトルの為の飾り等の大きな需要が見込まれる。
また、イード・アル・フィトルの飾りつけを店内に施すことで、ムスリムに向けて、イスラム教のお祝いを一緒に祝福していることを示せるだろう。
<箱売りをする>
ムスリムの人々は、ラマダン期間やイード・アル・フィトルのために、食品を大量に買い置きをする傾向がある。
それ故、箱売りやラマダンセールを行うことで、大量の買い物をするムスリムがより利用しやすいスーパーマーケットとなるだろう。
<ブランディングを行う>
ラマダンに際した取り組みを行っていることを示す為、ムスリムが見てわかりやすい広告バナー等を利用する。
しかしながら、頻繁に用いられる三日月やイスラム寺院のイラストを使用した場合、イスラム教について浅い知識しか持ち合わせていないとムスリムから認識をされてしまう可能性もある。
<チャンスを逃さない>
TESCO はイギリスのラマダン市場におけるパイオニアであるが、ある一店舗の不注意で、一時注目を浴びてしまった例がある。
その店舗はベーコン味のポテトチップスをラマダンセールに売り出し、豚肉を不浄とするムスリムから大きな反感を受けた。
商品自体には豚肉または豚由来の成分は用いられておらず、ベジタリアンフードであったが、文化的無作法として捉えられた。
またMorrison's は、ラマダンを祝うステッカーをソーセージパンとポークソーセージの上に飾ってしまったことで、ムスリムの反感を買うことになった。
<ラマダン期間用のパッケージにする>
既存の商品をクリスマス限定パッケージのように、ラマダン期間限定パッケージへと少し変化を加えることで、低コストで効果的なマーケティングとなりうる。
以前、世界的な製菓会社がチョコレートのパッケージをラマダン仕様に少し変更を加えた結果、ムスリムからの需要が大幅に増加した事例がある。
※本レポートは、Hopewill Group (Holdings)Ltdのメールマガジン「イスラム&MENASA市場」より一部修正のうえ、転載しています。
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本レポートを通して、少しでもこの「MENASA」「イスラム」というキーワードが皆様にとって身近なものとなりましたら幸いです。
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