2016.04.22
- その他のアジア【イスラム】Hopewill《THE MENASA/イスラム市場通信》第20回「ラマダン市場に参入する為の秘訣に迫る!-前編-」
- 【イスラム】Hopewill《THE MENASA/イスラム市場通信》第20回
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特集・ラマダン市場に参入する為の秘訣に迫る! -前編-
アラブ・イスラムのデザインを中心にブランディングを手がける ARCHETYPE 社によって、スーパーマーケットにおけるラマダン期間中の経済効果に関する興味深い記事が発表された。
今回は同社が発表した「ラマダン市場に参入する為の秘訣 (Top tips for retail chains to reach a unique market)」を2回に渡って紹介する。
ラマダンとは
ラマダンはイスラム暦における第9月を示し、期間中は日中の断食が行われる。
昨年2015年は6月18日より7月17日の日没まで行われ、今年2016年は6月6日より7月5日の日没まで行われる。
ラマダン期間中は、多くのムスリムが普段より多くお祈りをし、コーランを読むように努めている。
ラマダンは毎年11日ずつ期間が早まっている為、多くのムスリムが一生のうちに冬と夏両方の季節のラマダンを経験する。
夏は冬より日照時間が長く、断食をする時間も長くなる為、より厳しいラマダンを過ごすこととなる。
断食は自己鍛錬や自制の為に行われる。ラマダン期間中は、日昇前に1度スフール(Suhoor) と呼ばれる食事を摂り、日没後にイフタール (Iftar) と呼ばれる食事をする。
ラマダンは、始まってから新月が確認されるまでの期間で行われ、20日または29日間で終了する。
ラマダン終了後はイード・アル・フィトル (Eid il Fitr) と呼ばれるお祝いがあり、家を飾りつけ、着飾り、プレゼントを交換するなどして盛大にお祝いをする。
イギリス大手スーパーマーケットの取り組み
昨年度、イギリスの大手スーパーマーケットはラマダン期の1ヶ月間に、通常より100万ポンド以上の売上増加が見られた。
そのため、大手スーパーマーケット各社はラマダン期間を大きな商機と捉え、イスラム市場をターゲットとすべく様々な取り組みを行っている。
イギリス第2位のスーパーマーケットチェーンである Sainsbury’s は、270店舗でラマダンに関する商品の販売促進イベントを開催した。
世界第3位のスーパーマーケットである TESCO は300以上の店舗でラマダンに関する販売促進イベントを開催すると同時に、地域のテレビにてイギリスに暮らすムスリムを対象に宣伝を行った。
Morrison's も積極的にイスラム市場に向けた取り組みを行っており、100店舗でムスリムを対象とした商品展開を行っている。
3社ともにインターネットを通じた広告活動も行っており、およそ50万のムスリム世帯に向けて発信を行っている。
Asda もまたラマダン期間を商機と捉え、期間中にはいくつかの店舗を飾りつけ、ムスリムにとって主要な食料品である米、油、サモサ等のセールを行っている。
また、イギリスの大手スーパーマーケットの中にはラマダン期間のカウントダウンカレンダーを取り扱っているところもある。
イギリスには現在300万人ほどのムスリムが暮らし、その数は増加を続けている。
近年、食品小売業界にとってラマダンはクリスマス・イースターに続く重要な宗教行事として捉えられている。
数字で見るラマダンの経済効果
・ラマダン期間中、イギリスのスーパーマーケットにおける売り上げが通常より100万ポンド以上増加
・Morrison's にて、前月と比べて8万箱の取り扱い増加
・Bicester Village にて季節平均276%の売り上げ増加
・Sainsbury's における米の売り上げが毎年100%以上増加
※本レポートは、Hopewill Group (Holdings)Ltdのメールマガジン「イスラム&MENASA市場」より一部修正のうえ、転載しています。
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※「THE MENASA/イスラム市場通信」の過去記事は 「国別情報一覧」 よりご確認ください。
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本レポートを通して、少しでもこの「MENASA」「イスラム」というキーワードが皆様にとって身近なものとなりましたら幸いです。
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