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2016.01.15

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿㉑ 「『年度報告』未提出と『経営異常』認定について」
【中国】陳弁護士の法律事件簿㉑
「年度報告」未提出と「経営異常」認定について


A社は新製品をB社に販売するために、1年以上にわたり取引交渉を行ってきた。
2015年8月、売買契約締結を前にB社のリスクコントロール部門が、A社の企業信用調査を行ったところ、当局への提出が義務付けられている『年度報告』が未提出であったため、A社は「全国企業信用情報公示システム」において「経営異常」とされていた。
B社のリスク管理規定では「経営異常」企業と契約を締結することができないため、当該取引はやむを得ず中止された。

本件では、『年度報告』の未提出が企業経営に多大な損失をもたらす結果となった。


『分析』

「工商総局による企業年度検査業務の停止に関する通知」(工商企字〔2014〕28号)では、2014年3月1日から従前の『企業年度検査』を廃止し、企業が自主的に前年度の活動や財務状況等を『年度報告』としてオンライン上で報告する「企業年度報告公示制度」に変更することを通知している。

また、「企業情報公示暫定条例」国務院令第654号にて、『年度報告』の提出期限(1月1日から6月30日)、提出方法、提出先、提出内容、未提出の責任等を詳しく規定している。

中国内で営業活動を行う企業が期限通りに『年度報告』を提出しない場合、「経営異常」企業名簿に記載され、公示されることとなる。
「経営異常」企業は、政府との取引、プロジェクト入札、栄誉称号の授与等において、制限又は禁止処分を受ける。また、3年間「経営異常」とされると、重大な違法企業名簿(即ちブラックリスト)に記載される。ブラックリスト企業の法定代表者・責任者は、3年以内にその他の企業の法定代表者・責任者を務めてはならず、ビザ申請等も制限を受けることとなる。

中国で活動する企業は『年度報告』の提出漏れがないよう、十分注意すべきである。

※「陳先生の法律事件簿」の過去記事は、 「国別情報一覧」 よりご確認ください。




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【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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