2016.01.13
- その他のアジア【イスラム】Hopewill《THE MENASA／イスラム市場通信》第15回「イスラム市場への参入を急ぐ隣国韓国に迫る！-中編-」
- 【イスラム】Hopewill《THE MENASA／イスラム市場通信》第15回
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特集・イスラム市場への参入を急ぐ隣国韓国に迫る！-中編-
今回は中編として、韓国のハラル食品市場への取り組みを紹介する。
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韓国のハラル食品市場
近年、韓国の食品メーカーの間でハラル認証の取得が広く行われており、ムスリムが多数派の国において韓国食品が多く見られるようになってきている。
「ハラル」は「合法」を意味し、ハラル認証はイスラム法に遵守して屠畜、加工、製造された製品に与えられる。
ハラル食品には豚肉やアルコール、コラーゲン等の豚肉由来の原料を使用することが禁じられている。
・農心 (Nongshim)
韓国のヌードルメーカー『農心』は、ハラル認証を取得した韓国企業の1つである。
同社は釜山にハラル専用の製造ラインを立ち上げ、2011年よりハラル対応の辛ラーメンとユッケジャンヌードルスープの販売を始めた。
販売初年度の2011年は90万米ドルの売り上げを記録し、2014年11月には250万米ドルの売り上げにまで達した。
近年は、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦を中心に輸出が行われている。
・CJ 第一製糖 (CJ CheilJedang)
2013年、韓国食品大手の『CJ 第一製糖』は、マレーシア政府ハラル認証機関(JAKIM) より、キムチや調理米、海苔スナックを含む433商品のハラル認証を取得した。
同社はJAKIM のハラル認証を取得する為、原料、製造ライン、貯蔵管理システム、輸送の全ての段階において、徹底したハラルの遵守を遂行したと語っている。
現在、マレーシアとシンガポールにハラル食品を輸出しており、今後インドネシアや中東への輸出拡大を視野に入れている。
・アワーホーム (Our Home)
韓国食品加工会社の『アワーホーム』は、韓国唯一のハラル認証機関である韓国イスラム教中央会 (the Korea Muslim Federation: KMF) より、キムチと海苔製品のハラル認証を取得した。
同社は現在、東南アジア、ヨーロッパ、北アメリカのムスリムに対してハラル食品の販売を行っている。
同社は従来、キムチを製造する際に醗酵させたエビ由来の調味料を使用しているが、今回ハラル認証を取得するにあたり、エビ由来の調味料を用いないハラル対応のキムチを開発した。
また、海苔製品には清酒を用いていたが、ムスリムはアルコール摂取を禁じられている為、清酒を使用しない新たな海苔製品の製造法を開発した。
また、スナックやパン類へのハラル認証取得も増えており、韓国ロッテ (Lotte Confectionery) が販売するペペロ (Pepero) やコーンスナック (Corn Snack) 、クラウン製菓 (Crown Confectionery) のクックヘ (Kuk He) を含む現在87のスナックがハラル認証を取得している。
オリオン製菓 (Orion Confectionery) のチョコパイ(Choco Pies) には豚由来のゼラチンが使用されている為、ハラル認証を取得するにあたり、同社はハラル専用の製造ラインを設けた。
昨年11-12月には、マレーシアのテスコ (Tesco) にて韓国食品のイベント「テイスト・オブ・コリア （Taste of Korea） 」が開催され、ハラル認証を取得した20以上の企業が参加した。
ハラル認証済みの韓国食品は海外での人気が高まってきており、「テイスト・オブ・コリア」においては、韓国の農林畜産食品部 (The Ministry of Agriculture, Food & Rural Affairs) と大型ディスカウントストアのホームプラス(Home Plus) がマレーシアの消費者から高い評価を得ていた。
農心や韓国ロッテもイベントへ参加し、キムチや海苔、コチュジャン、香辛料、飲料、ヌードル等幅広い商品を展開した。
イベント後に、韓国農林畜産部は、「マレーシア人、特に若い世代のマレーシア人は著名なブランドや輸入品を好む傾向が見られる。
また、高所得者の間では韓流ブームの影響を受け、韓国製品の人気が高まっており、大型小売店鋪にて韓国製品を買い求める方が多い為、今後大型小売店鋪を中心に更に韓国食品を展開していきたい」と語った。
以上
※本レポートは、Hopewill Group （Holdings）Ltdのメールマガジン「イスラム&MENASA市場」より一部修正のうえ、転載しています。
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