TNCは2011年にTNC Bangkokを設立。
東南アジアの拠点として、食品・外食メーカーを中心に業務実績を重ね、2014年、インドネシア・ジャカルタ(TNC Jakarta)とベトナム・ホーチミン(TNC Saigon)に拠点を設立いたしました。そして、このたび、東京、バンコク、ジャカルタ、ホーチミンの4拠点を結び、TNCが培ってきた情報収集力とネットワーク力を活かした研究機関「TNCアジアトレンド総研(以下トレンド総研)」を立ち上げました。
トレンド総研には、各都市のトレンドを常にウォッチしている現地の若者達がサポートメンバーとして所属しており、彼らの生活者目線から、現在のアジア各国の潮流を掴み、情報発信を行っていきます。
今回はバンコクとホーチミンから彼らの生声をご紹介します。
SNSはアプリの使い分けが進み、ベトナム「Zalo」のようなローカルSNSも存在感。

各種SNSのアイコンが並ぶバンコクの若者のスマホ
まずはスマホの使い方の特徴を見てみましょう。
「iPhone6で主に使うのはLINEのチャットです。Facebookも長く使っていて友達は1000人くらいいますが、最近はビジュアルでその時あったことをメモしていくのにInstagramを使っています」と話すのはバンコクで日本語を勉強しているカノムさん。
Facebookはコメントなどのコミュニケーションが面倒で、最近は気軽にスマートにやりとりができるInstagramを多くの人が使い、企業もInstagramを使用したプロモーションを多く行っています。

右側のアイコンがベトナムローカルのSNS「Zalo」
Zaloはベトナム語に特化したインターフェースと、2.5Gなどのベトナムの通信インフラにも適合して人気を得ています。
逆にインフラがバンコクに比べて遅れていることもあり、LINEを使う人はまだ限られています。どちらも共通して写真を撮りシェアすることが多い点からInstagramが徐々に人気を集めています。
高まる訪日旅行への興味。ベトナムは今後に期待。

バンコクの書店には数えきれないほどの日本のガイドブックが並ぶ
こうした背景と、バンコクに広がる日本食ブームによって日本への興味関心が深まっています。日本に行ってやりたいことも「大阪の○○でお好み焼きを食べたい」「北海道でホタテを食べたい」など非常に具体的で、インタビュアーの私たちが驚くこともありました。
また興味深いのは、渡航先の情報収集の方法です。若者は個人旅行で行くことを前提にし、日本についてからパンティップという掲示板サイトの口コミで情報を得たり、GoogleMapで旅行者がマッピングした場所をチェックし旅行をするという意見が多くあがりました。

日本各地へのタイ人観光客の増加にあわせ、各自治体でもプロモーションに力を入れる。熊本へのタイ人誘致をめざしてTNCが共同でプロデュースする熊本オールロケの日タイ合作映画『アリエル王子と監視人』(英題:Hand in the Glove)のバンコクでの上映も予定されている。
日本の印象を聞くと、「京都や広島といった世界遺産があり、美しい国。ディズニーランドにも行きたい」という回答が多く、バンコクの若者に比べると抽象的な回答が多いのが特徴的です。

ホーチミン市内のカフェで展開された「雪」をテーマにした北海道スイーツ
しかし、昨今は本格的な日本に触れる機会も徐々に増えています。
昨年は北海道がホーチミン市内のカフェ5店舗で、ベトナムには降らない「雪」をテーマにしたスイーツを提供する取り組みを行い、トレンドに敏感な若者の注目を集めました。
また農水省が主体となりイオンモール1号店で日本の食品や料理を販売する「ジャパンフードミュージアム」が開かれるなど、ホーチミンの生活者が本物の日本に触れつつあります。
こうした人達が実際に日本を訪れるチャンスは着実に増えていくと思われます。

経済成長はもとより、インフラの整備、スマホの普及、情報の自由化、ビザの免除等など、アジア各国をとりまく状況は大きく変化しています。また、多くの国では平均年齢が若く、次代を担う若者たちの声は今後ますます重要になってきます。定期的に彼らの声に耳を澄ませ、価値観やライフスタイルの変化や、その兆しをウォッチしていくことは、今後の海外事業戦略を立てる上で必要不可欠です。
現在、TNCアジアトレンド総研は、タイ・バンコク、インドネシア・ジャカルタ、ベトナム・ホーチミンで展開していますが、今後はミャンマー、シンガポール、カンボジア、マレーシア、インドでの展開も計画しています。
順次、各国のトレンド情報を発信してまいりますので、どうぞご期待ください。