2015.01.20
ベトナム【ベトナム】エスネットワークス・ベトナム通信/第5回 「ベトナム駐在員事務所の閉鎖における留意点 ②」
- 【ベトナム】エスネットワークス・ベトナム通信/第5回
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◇『エスネットワークス・ベトナム通信』は、ベトナム進出のフルサポートが可能な株式会社エスネットワークスの現地法人
ES NETWORKS VIETNAM CO., LTD.のハノイ、ホーチミンの駐在員、スタッフからの情報を皆様にお届けするレポートです。
ベトナム進出を検討する際にお役立ていただければ幸いです。
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今回は前回に引き続き駐在員事務所(REP)の閉鎖について、労務面及び現地法人開設との同時申請における留意点を説明します。
1.3 労務について
REP閉鎖の理由で、既存の労働者との雇用契約を解除するとしても、その手続きはベトナム労働法に従わなければなりません。以下はしばしば忘れられる事項です。
(1)雇用契約の解除の予告
雇用契約の種類に応じてREPから従業員に対して3営業日前~45日前に予告しなければなりません(労働法第38条2項による)。
・季節雇用契約:3営業日前
・期限付き雇用契約(有期雇用契約):30日前
・無期限雇用契約:45日前
(2)未払給与や退職手当の支払及びの支払期限
雇用契約終了後、7営業日以内に、従業員に対して全ての未払(給与や退職手当等)を支払わなければなりません。特別の場合(※)、遅くとも30日以内に支払義務を終えなければなりません。
※法律上、「特別の場合」について具体的な定めはありません。
(3)保険帳返却及び源泉徴収証明の発行
REPの閉鎖手続完了前、必ず従業員に対して保険帳(※1)を返却して、源泉徴収証明(※2)を発行しなければなりません。
※1 保険帳: 従業員は次の就職先に保険帳を預け、それをもって保険料を払い続けなければならない。
※2 源泉徴収証明: 年末のPIT確定申告に源泉徴収証明が必要である。
1.4 残存資産の処理について
REPは営業活動からの収益を禁止されています。しかしながら、閉鎖時の残存資産の処理による収益が認められます。この場合、当該収益に係るVAT及び所得税の申告・納付の義務が発生するため、事前に管轄の税務署への問い合わせが必要となります。
2. REPの閉鎖と現地法人設立を同時に行なう場合の留意点
最初に述べたとおりREPの閉鎖と同時に現地法人の設立申請を行なうケースは少なくありません。この場合、元のREPの事務所と同じ住所で現地法人を登記することもあります。しかしながら、以下の理由により同時申請が難しいケースがありますので、留意が必要です。
2.1 同じ場所(住所)でREPまたは現地法人のどちらかしか登録できない
現地法人申請書類を提出後、現地法人の本社となる住所について別組織の登記がされていないか当局よりチェックを受けます。その時点でREPの閉鎖手続が完了していなければ、現地法人の登記住所の変更を要請される可能性もあります。REPの閉鎖手続を行っている途中、将来的な重複登記は発生しない旨、当局に報告・交渉することも不可能ではありませんが、承認を得る保証はないため、留意が必要です。
2.2 REPの所長は現地法人の法的代表者を兼任することができない
元REP所長が新設の現地法人の法的代表者になるケースはよくあります。この場合、REPの閉鎖が完了してから現地法人の法的代表者登記を行なわなければなりません。
以上
※『ベトナム通信』の過去記事は、当サイト 『国別情報一覧(ベトナム)』に掲載しております。
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- 【掲載元情報】
- ES NETWORKS VIETNAM Co., Ltd. 監修