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2015.01.07

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿⑱「中国語ラベルのない輸入食品の販売は食品安全法違反となる」
【中国】陳弁護士の法律事件簿⑱
中国語ラベルのない輸入食品の販売は食品安全法違反となる

張さんは、多くの顧客がスーパーで輸入果汁ジュースを買っていたので、自分も3本購入した。
勘定を済ました後、賞味期限を確認しようとしたところ、ジュースの包装には中国語のラベル表示がなく、記載事項の意味が全く分からなかった。直ちにスーパーの担当者と交渉を行い、返品対応と販売価格の10倍の賠償金を要求した。

スーパーは、「輸入ジュースに中国語ラベルの添付はないが、中国当局の検査報告書は有しており、ジュースの成分は全て食品衛生基準に合致している。従って、賠償金を支払う必要はなく、返品のみに対応する」と主張した。

張さんは人民法院に訴訟を提起した。

『分析』

『食品安全法』第19条には、「食品安全基準は強制的に適用される基準である。」と規定している。また、第20条には、「食品安全基準には下記の内容が含まれなければならない。……(四)食品安全・栄養に関係するラベル表示、説明書に対する要求。……」と規定している。
『食品安全法』第66条には、「あらかじめ包装された食品を輸入する場合は、中国語のラベル、中国語の説明書がなければならない。
且つラベルと説明書は本法および中国の関連する法律、行政法規の規定並びに食品安全国家基準に合致しなければならず、食品の原産地および国内の代理業者の名称、所在地、連絡方法も明記しなければならない。」と規定している。
『食品安全法』第96条には、「食品安全基準に合致しない食品と知りながら販売した場合は、消費者は損害賠償を請求するとともに、販売者に対し支払金額の10倍の賠償金を請求することもできる。」と規定している。

本件について人民法院は、「経営者が食品を製造、販売する場合、国家食品安全基準に合致しなければならず、消費者の健康に対する権利を侵害してはならない。」とした上で、「輸入ジュースに中国語のラベル添付がないことは、明らかに食品安全法に違反しており、食品安全基準に合致しない食品の販売に該当する。スーパーが、ラベル添付がないと知りながら販売した行為は、商品情報に対する消費者の知る権利を損ね、経営者の義務に違反する。
従って、スーパーは法に従い民事責任を負い、代金を返却した上で、販売価格の10倍の賠償金を支払うべきである。」とした。

経営者は中国において輸入商品を販売する際、製品自体に品質不良がない限り、何も問題はないと簡単に判断してはならない。輸入商品に関する中国語表記・説明の有無は重要な事項であり、『ラベル』という些細なことが、企業に思いもよらない損失をもたらす可能性があることに留意していただきたい。

以 上


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【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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