
山形牛は牛肉の美しさをアピールするためにライトアップ展示

ホクレンは北海道産の和牛をPRするタイ語の冊子を配布
広大な展示場の中でひときわ目を引いていたのがJETROによるジャパンパビリオン。同展のパートナー・カントリーである日本らしい思い切りの良さで、日本風の暖簾をあしらったデザインでパビリオンを包み込み、日本各地の名産品を中心に55ブースが出展。タイへの進出を検討する企業や、パートナーを探す自治体が、日本語やタイ語で商品説明の呼びかけを行い、多くの来場者の注目を集めていました。
中でも来場者の注目を集めていたのがタイ向け輸出重点品目の一つである牛肉。日本産和牛の試食には長蛇の列ができるほどの賑わいをみせていました。2014年4月から日タイ経済連携協定の下、関税が撤廃されたこともあり、今後ますますの輸出拡大が期待されています。中間層の拡大を背景に、バンコク市内のショッピングモールでは、すき焼きやしゃぶしゃぶ、焼き肉店が次々に出店し、牛肉は今後さらにニーズが高まることが期待されています。
また寿司をはじめとした日本食の浸透から、2013年の日本からタイへの農林水産物の輸出は30%増加しており(出典JETRO)、水産物・水産加工品の出展も目立ちました。マグロやブリといった魚介類や瓶詰め・缶製品も今後益々需要が伸びることが予想されます。

お好み焼きの実演には長蛇の列!
日本の醤油やソースをタイで製造するヤマモリ(本社は三重)は、自社の調味料を使った、日本の家庭料理を紹介していました。「寿司専用のしょうゆ」や「焼きそばソース」など、日本食に欠かせない調味料を紹介。寿司を好むタイ人消費者の増加や、お好み焼きや焼きそばなど、日本ならではの味を求める声に応えていました。調味料を通して、日本食を広く紹介するパフォーマンスに外食関係者やバイヤーが熱心に見入っていました。

OISHIは冷凍餃子を調理
日本食レストラン経営や日本食を販売する、ローカル食品大手OISHIは、小売り用の冷凍餃子を調理してサンプリング。日本風の焼き餃子でその名も「GYOZA」。味は日本の冷凍餃子に近く、食べているタイ人バイヤーはおもわず「アローイ(おいしい)」とコメント。タイ人は揚げ餃子も好きなので、焼くより揚げる方がカンタンと評判は上々。

タイ人の味覚にあわせた「わさびマヨネーズ」
タイで既に高い認知度を持つキユーピーは、お酢や、新商品の「わさびマヨネーズ」を紹介。寿司の浸透とともに市民権を得て、さまざまな料理に使用されているわさびは、タイでは最もポピュラーな日本の薬味の一つ。このわさびとマヨネーズをあわせた、タイ限定の商品は、サラダはもちろん肉料理にも合わせることができるということで、今後のレシピ展開などにも注目したいと思います。

完成した料理と調味料を前にカメラに応える出場者
今回のTHAIFEXの注目イベントの一つが「THAILAND ULTIMATE CHEF CHALLENGE」。今回で3回目をむかえる同イベントは、「タイの食材を最大限に活かす」「現代スタイルのタイ料理」をテーマに料理バトル型のコンテストです。タイのTV番組「IRON CHEF(料理の鉄人)」の人気もあり、料理バトル形式のコンテストは注目度が高く、食関連の大手メーカーがスポンサーとなっています。500名以上のシェフが5日間に渡って料理の腕を競い合い、美しいタイフュージョンが次々に完成し、観客の歓声を集めていました。

今回のTHAIFEXで出展されたハラル商品一覧
前回のVOICEjpで特集したイスラムの安全基準である「ハラル」は、食の選択基準となる標準的な表記として浸透しており、多くのブースでハラルマークを見ることができました。ハラル商品をまとめて紹介する特設ブースも登場し、ハラル商品に興味のあるバイヤーは直接ブースで商品紹介をすることができるなど、サービスの充実が感じられました。

TNCはクライアントとともに出展
TNC Bangkokは、昨年に続き自社ブースを出展。桃屋がバンコクでの販売を開始する「キムチの素」のサンプリングの他、シマダヤの「冷凍うどん」を調理し、焼きうどんをサンプリング。多くの来場者や出展者とビジネスミーティングを持つことができました。また日本企業や出展企業にライフスタイル・リサーチャーを周知していただく貴重な機会になりました。