2014.06.24
- その他のアジア【イスラム】週刊イスラム市場ダイジェスト①「国別研究:サウジアラビア」
- 【イスラム】週刊イスラム市場ダイジェスト①
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週刊イスラム市場ダイジェスト①「国別研究:サウジアラビア」
「チャイナプラスワン」として多くの企業が中国以外の国に目を向けるようになった昨今、その中でも特に注目されているのが、急成長を続けるイスラム市場です。人口は世界人口の4分の1にあたる約16億人にのぼり、アジア太平洋地域にはその6割にあたる約10億人が生活をしていると言われています。
弊社でも最近はイスラム圏に関するお問い合わせを頂く機会が増加しており、そのサービスの一環として、イスラム圏のビジネス情報に特化したメールマガジン「週刊イスラム市場」(http://www.shukanislam.com)を毎週火曜日に配信しております。
今回は、「週刊イスラム市場」の内容を一部抜粋し、「国別研究:サウジアラビア」をお伝え致します。
サウジアラビアの概要
日本の約5.2倍という広大な面積を持ち、若年層の多いサウジアラビア。メッカとメディナという2つのイスラム教の聖地を持つこの国では、イスラム教への深い信仰と昔からの伝統が大変重視されている。若年層が多く、豊富な資産を持つ富裕層が多く存在する市場であるものの、人的交流の少ない日本勢は欧米や中国の後塵を拝している、と言われている。
サウジアラビアは「サウジアラビア王国」という正式名称を持ち、西アジアで最も大きい国家である。アラビア半島の中北部を占め、アラブ国家としてはアルジェリアに次ぎ、2番目に大きい。北部の国境はヨルダンとイラクと、東部の国境はバーレーン、アラブ首長国連邦と、そして南部の国境はオマーン、イエメンと接している。
1902年に僅か22歳のアブドゥルアズィーズ・イブン=サウード国王(サウジアラビア王国の初代国王)、サウード王家先祖伝来の本拠地リヤドをライバルのラシード家から奪回し、アラビア半島のほぼ全域を版図に収めた。現在のサウジアラビア王国は、1932年に主要地域の統一、イブン=サウードによって建国されたものである。
サウジアラビアの政治
サウジアラビアは、サウード家による絶対君主制でワッハーブ主義に基づく厳格なイスラム教義を国の根幹としている政教一致の体制を持っている。コーランとスンナ(ムハンマドの言行にもとづく行為規範)を重視し、92年に制定された統治基本法にも「王国の統治理念はコーランと預言者の言行(スンナ)に見いだされ、コーランとスンナが…全ての王国の規則を支配する」(7条)という記載がある。
2010年のエコノミスト誌の民主度調査によると、サウジアラビアは調査対象国167カ国中7番目に権威主義的であるという。
2011年9月25日に行われた諮問評議会の第5期(1期4年)3年目の開会式において、アブドゥッラー国王は二つの重要な決断を下した。
第一は、これまで男性のみで占められていた諮問評議会に、2013年から始まる第6期には女性も正式な議員として参加すること、そして第二は2015年の地方選挙では女性も立候補し、投票できるようにすることである。
基本的に国王は初代国王であるアブドゥルアズィーズ・イブン=サウードの息子から選ばなければならない。そして、その選ばれた子孫が王になるにはウラマー(イスラムにおける知識人)の許可が必要である。
2007年にアブドッラー国王の勅令によって、皇太子の任命や国王及び皇太子が健康上の理由で執務不能となった際の職務を代行する「忠誠委員会」が結成され、メンバーはアブドゥルアズィーズ直系の子孫で構成されている。
サウジアラビアでは、政党や政治集団が禁止されておりサウジアラビアの諸都市においては、左翼的思想を有する者の間で緩やかなネットワークが形成されてきたが、いずれも地下組織的な活動を強いられてきた。ソヴィエト崩壊直後には多数の逮捕者が出るなど政府の弾圧を受けたこともある。
国内で最も力のある派閥は、「スダイリ7(Sudairi Seven)」として知られるスダイリ家のハッサ妃の7人の息子であり、ファード王の兄弟及び子孫で構成されている。
女性の社会進出も徐々に進んでいる。2005年にアブドゥッラー国王が即位してからは改革が加速化し、女性の地位も大きく向上した。その中でも、サウード・アル=ファイサル氏は政治的かつ社会的な革命の最も強力な支援者として知られており、女性が投票権獲得、女性のキャリア支援、運転の許可など様々な活動に携わって来た。
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