2014.06.20
- その他のアジア【アジア】アジア通信/第31回 東南アジアでのバドミントン人気
- 【アジア】アジア通信/第31回
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先日、バドミントン男子団体の世界選手権にあたるトマス杯で日本男子が優勝しました。世界屈指の強豪である中国、マレーシアを連破しての初の快挙です。更に、同時期に開催された女子のユーバー杯では、日本女子が33 年ぶりの準優勝を果たしました。しかし、日本のテレビや新聞ではあまり報道されなかったようです。
一方で、東南アジア諸国ではバドミントンは人気スポーツの一つです。今回は東南アジアでのバドミントン人気についてご案内します。
1. トマス杯
当社が拠点を置くシンガポールはバドミントン人気が高い国の一つで、上記大会期間中はテレビのニュースでも試合結果が取り上げられ、競技映像がよく流れていました。特に、6 連覇を狙う中国を、日本がストレートで下した準決勝については、「ここ数十年で最大の番狂わせ」と、日刊紙でも大きく取り上げられていました。下の写真は、シンガポールの日刊紙「THESTRAITS TIMES」のウェブサイトの画像です。日本が勝ったにもかかわらず、掲載されている写真は中国選手のもので、中国が負けた、ということのインパクトの大きさが推察できます。
また、インドネシアでもバドミントンは非常に人気があります。筆者は偶然にも、インドネシア出張から帰国の際、日本対中国の準決勝が行われている時間帯にジャカルタの空港におりました。空港内のモニターではその試合が生中継で放映されており、場所によっては人だかりができているところもありました。ただ、ほぼ全員が現地の方と思われる方々で、残念ながら日本人の観戦者はいませんでした。
出典:THE STRAITS TIMES 記事
2. データで見る人気
データでも、東南アジアでのバドミントン人気を見て取ることができます。下のグラフは、博報堂が2011 年に行った生活者調査(Global HABIT)の結果から作成したもので、「どのようなスポーツを観たりするのが好きですか」という質問に対する回答結果
(複数回答可)です。各都市の人気上位3 競技を示しておりますが、サッカーの圧倒的な人気に次ぎ、バドミントンも多くの都市
で上位に入っていることが分かります。
Global HABIT 2011(博報堂)より作成
特に、マレーシアとインドネシアでは国技になっており、競技としても実績を残しております。下のグラフは、夏季オリンピックの全競技での通算獲得メダル数を示しており、メダルの大半をバドミントンで獲得していることが分かります。インドネシアが獲得した金メダルは全てバドミントンですし、マレーシアは総獲得数6 個のうち5個がバドミントンです。唯一とも言える、世界に通用する競技として、高い人気につながっていることがうかがえます。
Wikipediaより作成
以上、東南アジアでのバドミントン人気をご紹介しました。日本ではメディアで取り上げられることも少ないですし、このような人気の高さは少し意外に感じられたのではないでしょうか。
また、各国で高い人気を誇るサッカーについても、ワールドカップの盛り上がりの様子も含めて、またの機会にご紹介します。
※「アジア通信」過去記事は 国別情報一覧 に掲載しています。

- 【掲載元情報】
- 山田ビジネスコンサルティング株式会社 シンガポール支店 マネージャー 喜多 泰之
- [略歴]
2007年4月山田ビジネスコンサルティング(株)入社。
日本国内の中堅中小企業の再生支援業務に携わる。
2011年6月にシンガポールへ渡り、シンガポール事務所立ち上げに従事。
2012年4月のシンガポール支店設立以降は、日系企業のASEAN各国への進出やM&A、
進出している日系企業のサポート業務などに携わり、経営の観点から
日本企業のアジア進出をサポートする。