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2014.04.15

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿⑫「私用で社用車を使われた際の事故は、会社が責任を負うべきか?」
【中国】陳弁護士の法律事件簿⑫

私用で社用車を使われた際の事故は、会社が責任を負うべきか

李さんはA社の運転手で、某日、会社の許可を得ず、私用で社用車を運転し、交通事故を起こした。被害者となった王さんを負傷させたことで、李さんが交通事故の責任を負うこととなった。
事故後、王さんは李さん及び李さんが勤めるA社を裁判所に訴えた。
A社は、李さんは許可を得ずに社用車を運転し、且つ私用での運転であったため、会社は責任を負う必要がないと主張した。

本件において、加害者の李さんが責任を負うことに異議はないが、会社が賠償責任を負うべきか否かについて、2つの意見がある。
一つの意見は、会社は、李さんが勝手に社用車を運転したことを知らなかったので、責任を負う必要がないというものである。
もう一つの意見は、会社は、社用車の私用運転を予防する措置を講じる責任があるため、社用車の私用による事故についても、賠償責任を負うべきであるというものである。

『分析』

まず、中国の『権利侵害責任法』第49条には、「賃借、借用等の理由で自動車の所有者と使用者が同一でないときに発生した交通事故について、責任が当該自動車側にある場合、保険会社が自動車強制保険の責任限度額の範囲内において賠償を行い、不足分については自動車の使用者が賠償責任を負う。また、損害の発生について自動車の所有者に過失がある場合は、相応の賠償責任を負う。」と規定している。
従って、会社が責任を負うべきか否かについては、会社が社用車をきちんと管理していたか否かによって決まる。

次に、法律は弱者の利益を保護するという観点から、被害者の立証責任を軽減している。会社は管理体制が完璧であることを証明できなければ、私用で社用車を使われたこと自体が、管理不行きであったとみなされる。
ただし、私用で社用車を使われた際に発生した交通事故の責任の一部は、会社が負うとしても、すべての責任を会社が負うものとはしていない。さもなければ、社用車を運転するときに発生する交通事故は、状況を問わず、すべて会社が責任を負うとの誤解を招くこととなる。
状況を問わず、すべての事故について会社に責任を負わせるとなると、運転手個人の行為に対する法的拘束力を弱める可能性があり、自動車を保有する会社は非常にリスクが高い状態に置かれる。また、運転手による社用車の安全運転の義務に対し、悪影響を与えることとなる。

従って、会社は被害者に責任を負った後、過失がある運転手に求償することができる。

 

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【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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