2014.02.05
- その他のアジア【アジア】World Life Style Research/第6回 「VOICE from Global People インドネシア編」
- 【アジア】World Life Style Research/第6回
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第6回はインドネシアで人気の日系スーパー「Papaya」を作り上げた、店長・北平さんについてのレポートです。
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●VOICE from Global People
インドネシア・ジャカルタ編 日系スーパーPapaya店長 北平祥子さん
※本文は『TNC Asia Report(2013年8月2日配信)』より転載しております
「日本から輸入、日本とコラボ、現地でPB開発 勝ち組日系スーパーの挑戦力」
Papaya店長 北平祥子さん
「大げさではなく、輸入品の規制は、鎖国のように厳しい状況です」。
そう語るのは、インドネシアで5店舗を展開する人気の日系スーパー「Papaya」ジャカルタ店の店長、北平祥子さん。
「インドネシアに輸入するには、商品ごとに申請料を払って輸入食品登録番号である”ML番号” を取得しなければなりません。
Papayaは、日本のメーカーさんと直接連絡を取って成分表などの資料を送ってもらい、本来であればメーカーさんが行う申請のやりとりを代行する作業を繰り返して、現在ようやく500品目の日本食材を扱えるようになりました」。
時には日本の地方メーカーさんと二人三脚で、商品の申請から店頭での試食販売を行う場合もある。
「富山のトナミ醤油さんの“ゆず塩ポン酢”がそうでした。Papaya店頭で試食などを行ったことで、今では当店の人気商品として定着しました。
ケースごと“大人買い”するインドネシア人もいらっしゃいますよ」と語る。
その他、Papaya自らがローカルの生産者と提携して、「開発商品」という名前の日本食材のPBブランドの販売も行なっている。「国内産であれば規制はありませんから。
現在は、豆腐や牛乳、あぶらあげ、ヨーグルトといった商品を販売しています。
豆腐などは硬さや塩分の調整が難しく、日本のクオリティに近づけるため、生産者に細かい指示を出しながら、毎日毎日豆腐を食べました(笑)」とふりかえる。
北平さんの素晴らしい笑顔とともに苦労話を聞くと、そのたいへんさを軽く考えてしまいそうだが、おそらく日本の商品を輸入するための手続きの煩雑さは想像以上のものだろう。
しかし、それをこつこつと地道にやってきたからこそ、インドネシアの日系スーパーで「ひとり勝ち」とまでいわれる今のPapayaがある。
現在は、日本から多くの食品メーカーや行政の方がPapayaに商談に訪れる。
「7月には実験的にかりんとうメーカーさんと一緒に、店頭でかりんとうを作って安い値段で販売するという試みを行いました。
これなら輸入手続きをする必要はないですから」。
実際に原材料をすべて海外で調達することは、たいへんなこと。
しかし、こうした試みにチャレンジできる舞台があることが企業にとっては何より嬉しいはずだ。
日本企業のノウハウを、海外の材料でつくる。これも、ローカライズのひとつの出口になる。
TNCは、今後も海外で活躍する日本人の声をお届けします。

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