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2013.08.07

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿⑨「同一人物が双方の企業を代表して契約を締結することはできるか?」
【中国】陳弁護士の法律事件簿⑨
A社とB社は共に日本のC社の中国子会社である。賀さんはA社の法定代表人であるとともに、B社の責任者(B社法定代表人は日本で勤務)を兼任している。
最近、A社とB社は製品加工請負契約の締結に合意した。A社の法定代表人及びB社の責任者である賀さんは、会社を代表して契約を締結する権利を有する。
しかし、同一人物が双方の企業を代表して契約を締結することができるか否かについて、親会社のC社から以下の二つの意見があがった。

一つの意見は、同一人物が利益相反する二つの企業を代表して契約を締結する行為は、双方代理となり被代理企業となるC社(委任企業)の利益を損なう可能性があるため、違法行為に該当するというものである。

もう一つの意見は、中国の法規では同一人物は、従属関係、株式保有による資本関係、共同経営関係を有する二つの企業の法定代表人を兼任することを許可されている。併せて同一人物が独立する二つの企業を代表して、それぞれの職権を行使することも制限されていない。
従って、中国の法規では、一定の条件下において同一人物が異なる企業を代表して契約を締結することが認められているというものである。

『分析』

中国の法律では契約の双方当事者が同一人物に授権して契約を締結させることは明確に禁止されていない。
また、行為者が相応の行為能力を有し、意思表示が真実で、且つ法律又は社会公共の利益に違反しない限り、その行為は合法且つ有効な民事行為である、とされる。

結論として、同一人物は下記の条件に合致する場合、双方の企業を代表して契約を締結することができることとなる。
①契約する人物が相応の民事行為能力を有すること。
②従属関係、株式保有による資本関係、共同経営関係を有する二つの企業の法定代表人に同時に就任する場合を除き、同一人物が双方の企業を代表して契約を締結する行為は、双方の企業の董事会又は株主総会の承諾を経て許可される。
③双方の企業による同一人物に対する授権行為および契約の内容について、法律又は社会の公共利益に違反してはならない。即ち企業は法律上問題のない法定代表人を任命しなければならず、契約締結については納税回避などの不法な目的を有してはならない。
【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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