2013.08.01
- その他のアジア【アジア】アジア通信/第22回 シンガポールで世界一周③
- 【アジア】アジア通信/第22回 シンガポールで世界一周③
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シンガポールには全世界から人が集まり、それぞれの出身国・民族ごとに、町や溜まり場を作っています。そんなシンガポールですので、ここに居ながらにして、世界を旅することが可能です。
最終回となる今回は、インド・バングラディッシュ、ネパール、欧米、日本をご案内します。
9. インド・バングラディッシュ
リトルインディアはインド人だけでなくバングラディッシュ人の溜まり場でもあります。シンガポール人の約9%9がインド系です。そこかしこの工事現場で働いている労働者の多くはバングラディッシュからの出稼ぎです。
10. ネパール
シンガポール警察には、ネパールの山岳地帯出身の”グルカ兵”が警官とてして在籍しています。グルカ兵は、世界最強の兵士として有名で、世界各国の軍隊で働いています。グルカ兵警官はシンガポールでも、”ククリ”と呼ばれる湾曲したナイフ(短刀)で武装しています。
11. 欧米
多国籍企業のアジア統括本社等に勤務する欧米人(ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアなど)もシンガポールに沢山住んでいます。欧米人はオーチャードロードの西北方面の高台にある大豪邸などに住んでいます。もちろん、欧米人が皆そんなところに住んでいるわけではありませんが。欧米系企業はアジアに広く深く浸透しています。コカコーラ、P&G、ユニリーバ、スターバックス、KFC、マクドナルドなどの欧米企業は、アジアの最終消費市場において、日本企業の遙か先を走っています。
12. 日本
シンガポールに在住する日本人は約26,000 人10 です。日本人の代表的な溜まり場は、高級スーパー明治屋(左の写真)が入っているリャンコートという商業ビルとカッページプラザという飲み屋ビルです。カッページプラザは”昭和”の香りが漂う場所です。ここのカラオケスナックは、中高年が心置きなく昭和の歌を歌うことが出来る、日本以上に日本っぽい場所です。
近年、シンガポールで日本食レストランが急増していると言われていますが、欧米系と比べると、日系飲食チェーンの店舗数はまだまだ少ないと感じます。まだまだ少ないので、少し増えると目立つ、そこから転じて"急増"しているように見えているだけと感じます。個々の日系飲食チェーンを見ると、"点"で出店しているだけのものが大多数で、"面"で展開して、こちらで浸透している企業は多くありません。日系企業の本格進出はこれからといったところでしょうか。
ちなみに、太平戦争中、シンガポールは、日本の占領下にありましたが、その当時には、昭南島(しょうなんとう)という名前になっていました。また、当時のラッフルズホテルの名前は昭南旅館でした。
<明治屋>
シンガポールに全世界が凝縮されていること、イメージ頂けましたでしょうか。また、シンガポールがアジアの中心である、更に、世界中の有力企業が注力するアジアの中心 シンガポールは世界の中心の一つである、と言うことができるのではないでしょうか。
日本全国で事業を展開している企業・日本全国にトレンドを発信している企業の多くが、日本の中心 東京に本社を置いているのと同様、アジア広域で事業を展開している企業・アジア広域にトレンドを発信している多国籍業の多くが本社機能(アジア統括機能)をシンガポールに置いています。アジアのマーケット拡大を背景に、シンガポールは、ますます、本社機能設置場所としての魅力を高めつつあります。
9 ジェトロ資料 2011 年6 月現在
10 2011 年 日本大使館在留届出者数

- 【掲載元情報】
- 山田ビジネスコンサルティング株式会社 専務取締役シンガポール支店長 東 聡司
- [略歴]
山田ビジネスコンサルティング(株)創業以来、日本国内の中堅中小企業の再生支援業務に携わる。
2012年1月~2月にかけて中国進出日系企業の経営状況を調査。
2012年4月のシンガポール支店長就任後はタイ・インドネシア・ベトナム等ASEAN各国に進出している日系企業の経営状況を調査。
経営の観点から日本企業のアジア進出をサポートする。