2013.05.07
- その他のアジア【アジア】アジア通信/第16回 インドネシア編 ②日本との関係
- 【アジア】アジア通信/第16回
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インドネシアは、巨大な成長マーケットとして、アジアで最も注目されている国の一つです。約2億4,000万人の巨大な人口、増加し続ける生産年齢人口、大きな伸びシロを持つ個人消費等々、インドネシアは市場規模・成長余力共に魅力的です。
今回はインドネシアについて、前回の1.概況に続き、「日本との関係」を説明します。
2. 日本との関係
インドネシアと日本は、従来から深く太い関係にあります。
クルマのほとんどが日本車(しかも、日本よりも日本車のシェアが高い)、そこかしこにあるセブンイレブン、ドラえもんやナルトなど日本アニメの高人気、インドネシア版AKB48であるJKT48が着実に現地でファンを増やしている等々、ジャカルタ市街を少し歩けば、インドネシアと日本の関係を目で見て確認することができます。
JKT48 インターネットから転載
日本はインドネシアの最大の輸出相手国です。インドネシアは、LNG、石炭、銅、ニッケル等の重要な供給源となっています。
また、インドネシアからみて日本は最大の援助国であり、インドネシアは累計ベースで我が国ODAの最大の受取国でもあります。
ところで、インドネシアは、17世紀から1942年3月までオランダによる植民地支配、その後は日本軍による支配を受け、1945年8月に独立を宣言しました。しかし、旧支配国オランダは、その独立を承認せず、インドネシアとオランダとの間で独立戦争が始まります。この時点で日本軍は既に敗戦しており、インドネシアに駐留していた日本兵は戦闘活動を行ってはならず、武器を連合国側に引き渡すことになっていました。しかし、敢えてこの命令に反し、3,000人以上の日本兵がインドネシア独立義勇軍に参加し、オランダと戦ったそうです。
「敢えて大命に抗して独自の行動に出でんとす。言う忽(なか)れ敗戦の弱卒天下に用無しと。生を期して米英の走狗たらんよりは,微衷に殉じて火に寄る虫とならん。天道は正義に拠る。世界史の赴く処、亦正義に非ずして何ぞ。敢えて不遜の行動に出る所以。希くばご容赦あらん事を」。インドネシア独立運動に身を投じた日本軍学徒兵宮山滋夫氏が仲間の学徒兵に残した遺書です3。インドネシアと日本の関係の原点を感じることができます。
以下次号の「投資環境」に続きます。
3 「昭和史 七つの謎」 (講談社文庫) 保阪 正康

- 【掲載元情報】
- 山田ビジネスコンサルティング株式会社 専務取締役シンガポール支店長 東 聡司
- [略歴]
山田ビジネスコンサルティング(株)創業以来、日本国内の中堅中小企業の再生支援業務に携わる。
2012年1月~2月にかけて中国進出日系企業の経営状況を調査。
2012年4月のシンガポール支店長就任後はタイ・インドネシア・ベトナム等ASEAN各国に進出している日系企業の経営状況を調査。
経営の観点から日本企業のアジア進出をサポートする。