2024.01.18
インド【インド】弁護士法人マーキュリー・ジェネラル 国際コンテンツ/第12回/「外資規制」(インド編①)
- 【インド】弁護士法人マーキュリー・ジェネラル 国際コンテンツ/第12回/「外資規制」(インド編①)
-
◇「弁護士法人マーキュリー・ジェネラル 国際コンテンツ」は、弁護士法人マーキュリー・ジェネラル様からのアジア各国の国別情報を進出~撤退までの“シリーズ”で皆様にお届けします。
1.外国直接投資(FDI: Foreign Direct Investment)規制総論
Ministry of Commerce and Industry)の産業及び国内取引促進局(DPIIT: Department for Promotion of Industry and Internal Trade)が発行する統合FDIポリシー(Consolidated FDI Policy)及び都度発行するプレス・ノートによって規定されています。
2.具体的規制
(1)外国直接投資に必要な承認
インド非居住者がインドの会社に投資する場合、その投資対象となる会社の事業分野によって、事前承認
が必要ない場合(自動承認ルート)と政府の事前承認が必要となる場合(政府承認ルート)の二つのルー
トがあります。
(a)自動承認ルート(Automatic Route)
自動承認ルートによる外国直接投資の場合、当該投資に関しインド政府からのいかなる承認も必要とさ
れません。
(b)政府承認ルート(Government Route)
政府承認ルートによる外国直接投資は、当該投資分野を管轄する各省庁/部局による事前承認が必要と
なります。政府承認ルートによる外国直接投資に関する提案は、上記の管轄省庁/部局により検討・審
査され、承認の有無が判断されます。具体的な手続の流れは、以下のとおりです。
①承認申請書の提出
政府承認ルートによる外国直接投資に関する提案及び添付書類は、外国投資促進ポータル(Foreign
Investment Facilitation Portal:https://fifp.gov.in/)を通じてオンラインによって提出されます。
②内部承認手続
・インド商工省産業及び国内取引促進局は、当該提案を2日以内に管轄省庁/部局に回覧します。当該
提案は、インド外国為替法の観点からの見解を得るためインド準備銀行にもオンラインで回覧されま
す。
・インド商工省産業及び国内取引促進局は、上記オンライン申請の受理後4週間以内にその見解を提示
しなければなりません。
・上記見解に従い、インド商工省産業及び国内取引促進局は申請者に対して、追加の情報/説明を求め
ることができます。
・なお、500億ルピーを超える外国直接投資を含む投資提案は、内閣経済委員会(Cabinet Committee
of Economic Affairs)に上程されなければなりません。
③最終承認
当該提案についてすべての点について手続が完了すれば、8~10週間以内に承認が得られます。
(2)外国投資の報告要件
外国企業から投資金額を受領したインド企業は、当該投資に対する株式を割り当てた後30日以内に、
Form FC-GPR (SMF) の様式でその外国投資受領の報告をインド準備銀行に提出しなければなりません。
以前は、Advance Remittance Form(ARF)とFC-GPRの様式で提出されていましたが、2018年6月7日
付けのインド準備銀行の通達によって両者はForm FC-GPR (SMF) に統合され、現在はこのシングルマス
ターフォーム(SMF)の方式でのみオンライン提出されなければなりません。
(3)外国直接投資が全面的に禁止されている分野
以下の分野においては、外国直接投資が全面的に禁止されています。
・宝くじ事業(政府・民間いずれが主宰する場合も含む。
・賭博・掛け(カジノ等を含む)・賭博・掛け(カジノ等を含む)
・チット・ファンド(Chit funds)
・ニディ・カンパニー(Nidhi company)
・譲渡可能な開発権(TDRs: Transferable Development Rights)の取引
・不動産業又はファーム・ハウス(Farm House)の建設
2014年インド証券取引委員会(不動産投資信託)レギュレーションに基づいて登録・規制
される不動産投資信託(REITs)を含まない。
・葉巻、たばこ類及びたばこ代用品の製造
・民間企業に投資が開放されていない事業・分野(例:原子力産業、エネルギー産業、及び鉄道事業。但
し、統合FDIポリシーに規定されている許可された活動を除く)
(4)外国直接投資が制限されている分野
以下の分野においては、外国直接投資の上限、政府の事前承認の有無、及び投資条件等について規制され
ています。なお、下記事業分野※に関しては、その他に関連法規、FDIポリシー上に別途規定されている
その他の条件に従う必要があるものもあります。
※事業分野の一覧表以上※本稿の著作権は、弁護士法人マーキュリー・ジェネラルに帰属しています。
- 【掲載元情報】
- 弁護士法人マーキュリー・ジェネラル 制作