2023.01.31
- その他のアジア【ラオス】弁護士法人One Asia/第7回「ラオスにおける両替業について」
- 【ラオス】弁護士法人One Asia/第7回「ラオスにおける両替業について」
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1.背景
2022年10月1日より「改正外国為替管理法(以下、外為法)」が施行されています(詳細は2022年12月16日付のニュースレターをご参照ください)。
同法の中には、両替業に関する規定も含まれています。他方、両替業に関して「外貨両替業における合意(No.393)」及び「商業銀行及び外貨両替代理店の両替業に関する合意(No449)」(2022 年 8 月 4 日 付のニュースレターをご参照ください)という二つの合意も別途存在しており、外為法との整合性を合わせる必要性が出てきました。
そこで、今回、ラオス中央銀行(以下、中銀)は、上記二つの合意を無効として、これに代わる合意「両替業に関する合意(No1026)(以下、合意)」を2022年12月28日付で発行、施行しています。
2.両替業
外為法第9条によると、ラオスにおいて、外貨を現地通貨ラオスキープ(以下、キープ)に両替する場合は、ラオス国内の商業銀行のみでしか認められないことが規定されています。さらに、外為法第37条及び合意第2条には、「両替業はラオス国内の商業銀行のみが行うことができるサービス」であることが明記されています。
これでまで、ラオス人個人や法人が、商業銀行と業務契約を結び、代理店として登録することで、両替所を営むことができていました。しかしながら、外為法及び合意に基づく2023年1月13日付の中銀からの通知により、「両替業は商業銀行のみが提供できるサービスである」という規定に従い、ラオス国内6行の代理店として登録されているラオス国内113の両替所がすべて営業停止となりました。
さらに、下記の場所において、両替所が存在していない場合、商業銀行は、下記を運営する法人と契約を結び、両替所を設立することが可能となっています(合意第6条、第8条)。これまで、街中のいたるところに両替所がありましたが、両替所の場所が限定されると解釈できます。
1)3星以上のホテル又はリゾートホテル
2)国際空港又は国境
3)鉄道の駅
4)ドライポート
5)カジノ施設
6)中銀が定期的に定めるその他の場所
3. 外貨の売買
両替所は個人からのみ外貨を購入することが可能ですが、購入した外貨はすべて、7営業日以内に自身の商業銀行へ販売する必要があります。他方、国境や国際空港内にある両替所は、ラオスから出国する個人に対してのみ、外貨を販売することを認めることを検討すると規定されています[1](合意第13条)。
以上
〈注記〉
本資料に関し、以下の点ご了解ください。 ・今後の政府発表や解釈の明確化にともない、本資料は変更となる可能性がございます。 ・本資料の使用によって生じたいかなる損害についても当社は責任を負いません。
-----------------------------------------------------------[1] 2022年10月20日付のニューズレターの中で旅行者が、使い切れなかったキープを外貨に戻すことは難しいと書きましたが、合意第13条に基づくと、キープから外貨への両替できる可能性はゼロではないと解釈できます。しかしながら、これまで通り、キープから外貨への両替は原則、難しい状況には変わりないため、引き続き、留意が必要です。
(ご参考)
本ニュースレター(2023年1月19日号)
561e5f8a3abd4e2f9bb7b9ee64629e03.pdf (oneasia.legal)
〇第4回 【ラオス】「外国為替管理法の改正について」
〇第5回【ラオス】「ラオスにおける飲食業について」
〇第6回 【フィリピン】「フィリピンにおける地理的表示登録制度の創設」
弁護士法人One Asia 福岡オフィス
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- 弁護士法人One Asia 制作