国別情報一覧

HOME > 国別情報一覧 > その他のアジア > 詳細

国別情報一覧

2022.12.26

その他のアジア【ラオス】弁護士法人One Asia/第5回「ラオスにおける飲食業について」
【ラオス】弁護士法人One Asia/第5回「ラオスにおける飲食業について」
1.背景

ラオスは、2022年5月9日より、外国人観光客を隔離なしでの受け入れを全面的に再開してから半年以上が過ぎ、乾季の旅行ハイシーズンを迎えています。情報文化観光省は、コロナ化で観光需要が大きく落ち込んでいる状況を回復すべく、観光業に関する合意(詳細は2022年11月16日付けニューズレターを参照ください)、宿泊施設に関する合意(詳細は2022年11月16日付けニューズレターを参照ください)を発行し、続いて、「飲食業に関する大臣合意(No986)」を発行し、観光客の受け入れ環境の改善をはかっています。

2.適用の範囲

同合意は、露店、市場、リアカー/自転車/バイク/天秤棒での行商、公務員、宗教施設、僧侶への飲食提供、炊き出し等の常設ではない、利益を伴わない飲食業の形態は含みません(第6条)。

3. 推奨地域、格付け、免税恩典

(1)推奨地域

推奨地域は以下のとおり、3地域に区分され、免税恩典が受けられるのは、地域1と地域3(経済特区)と規定されています(第8条)。

   地域1:僻地、経済・社会インフラが未整備であり、投資及びビジネスが難しい地域
   地域2:基本的な経済・社会インフラが整っており、投資環境が整備されている地域
   地域3:経済特区

(2)免税恩典

地域1において飲食業を行う場合、飲食施設の格付け(ドークチャムパー[1]の数)によって、法人税の免税期間が異なります。地域2において飲食業を行う場合は、特段免税の恩典は与えられていません。また、地域3において飲食業を行う場合は、各経済特区の恩典措置に従うことになります。なお、地域1にある飲食店でも、衛生・安全面でラオス政府が定める基準に達していない場合は、恩典は与えられません(第9条)。
 
格付け 法人税免税期間 VAT率(免税期間) 関税
5年 0%(1年) ラオス国内で製造又は調達できな調理用品、加工機械など飲食業に直接関係のある器具等は、免税の対象となります。(第10条)
4 4年 0%(1年)
3年 0%(1年)
2年 0%(1年)
1 1年 0%(1年)
 
 
 
 




(3)格付けについて

各飲食施設は、事業許可証を取得後90日以内に、飲食業格付け委員会よりドークチャムパーの数が与えられます。その後、2年ごとに、満期となる月に、事業評価が行われ、格付けの見直しが行われます。同委員会は、情報文化観光省副大臣をはじめ、各関係機関の代表者から構成されています。なお、どのような基準で格付けされるかについては、別途定める規定に従うと規定されています。

4.外資規制

下記の飲食施設に関しては、施設の規模及び投資額等を踏まえて、ラオス国籍者のみに経営が認められており、外国人は参入できない場合がありますので、留意する必要があります(第21条)。
   
   ●20から49席までの飲食施設
   ●19席以下の飲食施設
   ●露店、市場の中の飲食店、リアカー/自転車/バイク/天秤棒での行商
 
5.会社設立及び事業許可証の取得

飲食施設連事業を行うものは、商工省(局)にて会社の登記を行います。その後、情報文化観光省の管轄下にあるワンストップサービスにて、事業許可証を取得する流れとなります。

(1)登録資本金

最低登録資本金は、飲食施設の規模によって以下の通り規定されています(第27条)。

① 100席以上の飲食施設:100,000USD以上
② 50から99席までの飲食施設:50,000USD以上
③ 20から49席までの飲食施設:10,000USD以上
④ 19席以下の飲食施設:登録資本金の規定なし及び事業許可証は発行しない。

(2)事業許可証の取得

商工省(局)で企業登録を行ったあと、情報文化観光省管轄下の最寄りのワンストップサービスにて、事業許可証の取得手続きを行います。事業許可の取得に必要な書類は以下の通りです(第20条)。

① 事業許可証申請書
② 企業登録書の写し
③ 企業登録申請書一式の写し
④ 就業規則の写し
⑤ 事業主の顔写真

上記に記載の必要書類を揃えて情報文化観光省管轄下の最寄りのワンストップサービスへ提出します。ワンストップサービスは、書類を受理後、2日以内に精査し、各レベルの情報文化観光管理局へ書類をまわし、当局が、7営業日以内に事業許可証を発行します。事業許可証は、有効期限はありませんが、1年ごとに事業継続許可を行います。事業継続許可に必要な書類は第20条に規定されていますが、納税証明書の写しなどが必要となります。

                                            以 上
〈注記〉
本資料に関し、以下の点ご了解ください。
・今後の政府発表や解釈の明確化にともない、本資料は変更となる可能性がございます。
・本資料の使用によって生じたいかなる損害についても当社は責任を負いません。
 
[1] ドークチャムパーとは、ラオスの国花に指定されている花の名前

(ご参考)
本ニュースレター(2022年12月19日号)
023a7ab01e208e43c95c289cd35ce06e.pdf (oneasia.legal)

(直近記事)
第1回【バングラデシュ】「バングラデシュ労働規則改正:180日以上の雇用は無期限の『正社員』に」
〇第2回 【東南アジア・南アジアにおけるESG/SDGs/人権DD】ビジネスと人権における取り組みの端緒
〇第3回 【東南アジア・南アジアにおけるESG/SDGs/人権DD】「サプライチェーン上の過酷な労働環境と人権侵害の特定」
〇第4回 【ラオス】「外国為替管理法の改正について」

弁護士法人One Asia ウェブサイト 福岡オフィス  
【掲載元情報】
弁護士法人One Asia  制作

前のページへ戻る

  • セミナー&商談会のご案内
  • アジアUPDATE
  • 国別情報一覧

PAGETOP