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2018.01.23

ベトナムベトナム【ベトナム】森・濱田松本法律事務所 アジアニュース/第27回『ベトナム 国営企業の民営化』
このたび、森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループでは、東南・南アジア各国のリーガルニュースを集めたニュースレター、MHM Asian Legal Insights第81号(2018年1月号)を作成いたしました。今後の皆様の東南・南アジアにおける業務展開の一助となれば幸いに存じます。

◇ 国営企業の民営化

ここ数年、ベトナムでは、国営企業の民営化が加速しています。政府による国営企業の株式売却計画によれば、国営企業の民営化を進めて経営効率化を図るために、2020年までに国営企業406社について、政府が保有する株式を売却する予定となっています。
 
例えば、ベトナム航空(Vietnam Airlines JSC)については、2019年までに政府保有株の86.2%のうち35.2%を売却し、政府出資比率を51%に引き下げることを目指しており、また、ビール最大手サイゴンビール・アルコール飲料総公社(Saigon Beer - Alcohol - Beverage Corporation、通称「サベコ」)は、2017年12月18日に約5割の株式を売却するために入札を実施し、タイのビバレッジ社が少なくとも25%を総額20億ドル程度で取得する見込みとなっています。
また、2017年12月8日に公布された首相決定(No. 1979/QD-TTg)によれば、ペトロベトナム石油会社(PetroVietnam Oil Corporation、通称「PV OIL」)も民営化を進めており、国営企業であるペトロベトナム社(PetroVietnam)によるPV OILの持ち株比率を35.1%まで引き下げる予定です。また、2017年12月29日に公布された首相決定(No. 2133/QD-TTg)によれば、南ベトナム食品会社(Vietnam Southern Food Corporation、通称「Vinafood 2」)も民営化を進めており、政府保有株の比率を51%まで引き下げる予定です。
 
こうした背景の下、ベトナム政府は、国営企業の民営化をより円滑に進めるため、Decree No. 59/2011/ND-CP(2011年9月5日施行)(「旧Decree」)に取って代わる国営企業の民営化に関するDecree No. 126/2017/ND-CPを発布し、同Decreeは2018年1月1日から施行されました(「新Decree」)。
新Decreeによれば、戦略投資家のロックアップ期間は3年と規定され、旧Decreeで規定されていた5年から3年に短縮することによって、戦略投資家がより民営化に参画しやすい環境を整備しています。
また、新Decreeは、国営企業の価値算定方法についても詳細な規定を設け、企業価値の算定については、ブランド価値を含めて計算するものとし、ブランド価値の算定方法として、企業価値算定時から過去5年間のブランドの設立に使用したコストやブランドを保護するために生じたコストを含むものとしました。これらのコストには、具体的に、会社設立費用、従業員のトレーニング費用、広告費用(国内外を問わない)、会社のウェブサイトの開設費用が含まれると規定されています。なお、この規定の背景には、旧Decreeには企業価値の算定基準に関する明確なるルールがなかったことから、ベトナム長編映画スタジオ社(Vietnam Feature Film Studio)の民営化時にそのブランド価値がゼロと算定されたことを受け、かかるケースと類似のケースを避けることが意図されているものと思われます。
 
以上より、ベトナムの国営企業の民営化については、今後ますます事例が増えることが予想され、法令の整備・改善が進んではいるものの、法令上及び実務上もまだまだ不透明な部分も多いことから、今度の動向を注視しながら、民営化の参画には関しては慎重な調査・検討を行うことが望ましいと思われます。
【掲載元情報】
森・濱田松本法律事務所アジアプラクティスグループ  作成

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