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2013.05.20

中国中国【中国】陳弁護士の法律事件簿⑤「労働契約の解除予定日前に病欠届が提出された場合」
陳弁護士の法律事件簿 第5回
2012年2月、A社は経営不振により従業員と何度も協議した上で、ようやく張さんなど20名の従業員と合意して「労働契約解除協議書」(以下「協議書」という)を締結し、2012年3月31日付の労働契約の解除及び経済補償金(退職金)を約定した。
ところが3月30日、張さんは突然A社に一カ月の病欠届を提出し、「治療を受けるため、以前に約定した通りには労働契約を解除できない」と主張した。

いかに対応するかについて、会社では異なる三つの意見が出た。
一番目の意見は、双方が協議書を既に締結したため、約定通り3月31日に労働契約を解除する。
二番目の意見は、従業員が協議書の締結後に治療を受けることとなるため、協議書は自動的に失効する。
三番目の意見は、協議書は失効しないが、労働契約の解除日は医療期間の終了まで延長される。


『分析』

1、『労働契約法』の規定によると、従業員は雇用企業と合意した上で労働契約を解除することができる。仮に従業員が医療期間にあるとしても、従業員と雇用企業が合意すれば、労働契約を解除できる。

2、『労働契約法』第45条には、「労働契約が満了し、従業員が医療期間内にあるなどの場合に、労働契約は相応の状況が消失する時まで継続されなければならない。」と規定している。
本件において、張さんは病欠届の提出前にA社と協議書を締結した。また、労働契約の解除は張さんが医療期間内に下した決定ではない。そのため、協議による合意の上で労働契約を解除する日が来るまで、張さんとA社に合法的な労働契約が依然として存在し、張さんは法により医療期間を享受する権利を主張できる。
なお、これにより協議書は無効にならない。

本件において、A社と張さんは3月31日を労働契約の解除日、即ち実際の労働契約の終了日と約定した。そのため、張さんが医療期間内にある場合、当該解除日は医療期間の満了まで延長されることとなる。
当然、A社は張さんと再度協議を試み、新たな労働契約の解除日を約定することもできる。
【掲載元情報】
GPパートナーズ法律事務所 パートナー弁護士 陳 文偉
[略歴]
[略歴]
上海復旦大学卒業後、1992年日本に留学。
1995年から1999年まで九州大学法学部にて国際経済法を専修。
日本滞在中から日系企業に対し中国に関する法律相談や法務セミナーを実施。
1999年帰国後、活動の中心を上海とし現地の日系企業に対し法律サービスを提供。
中国における会社設立・M&A・清算、PL問題、労働訴訟等、日系企業の法的課題を多く解決。
[所属]
中華全国弁護士協会会員、中華全国弁護士協会経済法務専門委員会委員

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